出版社内容情報
なぞり書き&音読で、脳にうれしい効果!
本書では昔懐かしい「百人一首」をなぞって、口に出すことで、脳を鍛えることができます。なぞり書きを行っているときに、脳の前頭前野が活発に働くことが研究で明らかになっています。実際にえんぴつを持ち、手を動かしなぞるという動きは、脳の血液量が多くなり、認知症予防やもの忘れ予防の効果があります。なぞり書きの動きには、手を動かすように命令する運動野、場所や位置関係を教える頭頂連合野、文字の知識がしまわれている下側頭回、左右の前頭前野などが広範囲にわたって活発に働いています。
音読もまた、脳の前頭前野を効果的に刺激してくれます。「百人一首」の歌の背景や詠み手の心情に思いをはせながら声に出すことで、脳の側頭頭頂接合部(角回)という部分の活動が高まります。ここは想像力をつかさどる領域で、側頭頭頂接合部を刺激することで想像力の向上につながります。
そして、なぞり書きと音読を同時に行うなど、2つ以上のことを同時に行うことを「デュアルタスク」といいます。私たちは日常生活でもさまざまな場面でデュアルタスクを行っています。例えば、電話をしながらメモを取る、音楽を聴きながら料理をするなどです。年を重ねると、若い頃はできていたデュアルタスクが脳の変化に伴い、やりづらく感じることが多くなると思います。本書のなぞり書きと音読を意識的に一緒に行うことで、普段なかなか使わない脳の領域も刺激してくれます。最初はなかなかうまくいかないかもしれませんが、慣れないことをすること自体が脳へのいい刺激になるので、ぜひチャレンジしてみてください。
本書の特長
・一首、見開き1ページでたっぷり練習ができる
・開きやすく、書きやすい特別製本
・「百人一首まめ知識」で教養も身につく
・中山佳子先生による美しいお手本
内容説明
「五七五七七」を定型とするわずか31文字の和歌。その中に込められた当時の人々の思いは、恋をして切ない気持ち、日本の四季折々の風景や自然に感動する気持ちなど、現代に生きる私たちにも容易に理解できるものがたくさんあります。不遇の人生を送った歌人の歌が多いことも百人一首の特徴のひとつであり、政争や出世争いに翻弄された人々の、人生の悲哀に共感する部分も多いでしょう。当時の人の暮らしぶりを想像しながら、ぜひ一首一首を味わってみてください。言葉のリズムや響きが美しいものばかりですから、書くだけでなく、何度も声に出してみることで、歌の味わいはより深くなるはずです。
著者等紹介
中山佳子[ナカヤマヨシコ]
一般社団法人書道能力開発協会理事長。株式会社フィールドデザイン代表取締役。「日・タイ修好130周年」事業認定のコンケン大学での書道イベント、京都でのジュニア書道展覧会など、書の普及活動を幅広く展開する。フジテレビ『芸能界特技王決定戦TEPPEN』書道審査員、関西テレビ「よーいドン!サタデー」での美文字指南などのテレビ出演や、書籍の執筆、全国での講演活動も行う。表参道、渋谷、京都などでの書道個展10回。トヨタ自動車で培ったビジネススキルを提供する企業研修会社「フィールドデザイン」の経営、早稲田大学大学院での武道、武士道研究、さらに戦国時代を題材にした舞台「戦影恋歌」(渋谷伝承ホール)シリーズの総合ブロデュースを複数手掛けるなど、日本文化の継承と社会の発展を目指す。著書に、『大人のたしなみ美しいペン字練習帳』(朝日新聞出版)、『大判心を整える般若心経練習帳』(西東社)他
篠原菊紀[シノハラキクノリ]
公立諏訪東京理科大学工学部情報応用工学科教授。医療介護・健康工学研究部門長。専門は脳科学、応用健康科学。遊ぶ、運動する、学習するといった日常の場面における脳活動を調べている。ドーパミン神経系の特徴を利用し遊技機のもたらす快感を量的に計測したり、ギャンブル障害・ゲーム障害の実態調査や予防・ケア、脳トレーニング、AI(人工知能)研究など、ヒトの脳のメカニズムを探求する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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