出版社内容情報
ルイス・フロイス[ルイスフロイス]
著・文・その他
内容説明
16世紀のヨーロッパで生まれたイエズス会は、キリスト教を全世界に広めるため、極東の日本に辿りつく。折しも日本は戦国時代。宣教師フロイスは戦乱の世に生きる日本人の姿を書き綴っていく―。織田信長のような武将から庶民まで、戦国時代の日本人や当時のできごとをキリスト教司祭の視点から記した歴史書を漫画化。
目次
フランシスコ・ザビエル師
戦国日本
キリシタンの里
兆候
崩壊
著者等紹介
フロイス,ルイス[フロイス,ルイス]
1532~1597。ポルトガル出身のイエズス会の宣教師。布教におもむいた地域の様子を観察し報告する。戦国時代の日本の記述を多く残し、交流のあった織田信長や豊臣秀吉などに関する文書は貴重な歴史資料となっている。長崎で死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ユーユーテイン
23
イエズス会の司祭ルイス・フロイスは、布教のために、日本の政治や習俗を観察し、「日本史」をまとめた。フロイスの日本滞在は20年に及ぶ。彼が見た戦国武将が何人かいるが、信長は英明、秀吉は傲慢で油断ならない。最もよく付き合ったのは大友宗麟のようだが、彼は迷いが多い人物だった。フロイスは、1597年に長崎で起きた「26聖人殉教事件」の報告をした後、同年死去した。秀吉も翌年死去。マカオの教会に保管されていたフロイスの原稿は、1835年に教会とともに消失し、今は写本が残っているそうだ。2014/10/26
みーなんきー
21
内容はかなり難しくて、漫画だから素人に受け入れやすい、というレベルではなかった。豊臣政権から徳川幕府の時代に日本に30万人のキリシタンがいた、というのは驚きだ。日本のキリシタンというのはキリスト教だけを信じる者なのか、はたまた他宗教を同時に敬う日本型の信仰だったのか、そこがネックかも知れない。細川ガラシャは知っていたが、彼女の立場なども初めて理解した。この機会にもっと詳しい資料を読んでみたくなったから取っ掛かりとして、この本は良かったかな。2016/12/18
小木ハム
18
読破シリーズ20冊目。イエズス会の宣教師から見た日本の歴史。織田信長は神も仏も信じない合理主義者だが、異国文化には興味を持ち寛大だったらしく好意的に書かれている。反対に豊臣秀吉は表向きは好意的だけど裏では『宗教は厄介』と思っており急に棄教令を出すなど簡単に信用してはいけない人物と書かれる。大友宗麟はフロイスと一緒にクリスマスの飾り付けをしたらしい。日本人で初めての人かもと思うと何やら微笑ましい。なかなかキリスト教が普及しないのは天災が多いから(→万物に神が宿っていて時々怒ると考えるから)じゃないかなぁ。2021/04/06
選挙ウォッチャーちだいそっくりおじさん・寺
15
フロイスが二千枚も書いた『日本史』を薄い一冊の漫画に。粗筋はよくわかるが、フロイスが戦国の有名人達をどう評したかというヒューマンインタレストの面白味は余り満たされない。しかし大友宗麟一家の揉め事が興味深い。武将は個人ではヒーローだが、家族単位で見ると愛憎や没落の悲喜劇だったりする。まあどんな家でも誰でもそんなものだろうが。2012/12/30
植田 和昭
14
原書は、3000ページもあって、散逸したのだとはじめて知りました。日本では、キリスト教は、なかなか普及しませんよねえ。日本人独特の思考を理解しようとしたところがすごいです。でも、日本人である我々にも自身の理解は、難しいように思います。2017/10/15