少年は残酷な弓を射る〈下〉

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  • サイズ B6判/ページ数 302p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784781607832
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報



ライオネル・シュライヴァー[ライオネルシュライヴァー]
著・文・その他

光野多惠子[ミツノタエコ]
翻訳

真喜志順子[マキシヨリコ]
翻訳

内容説明

16歳の誕生日の3日前、“事件”は起こった。異常なまでに母に執着する息子と、息子を愛せない母。二人が迎える衝撃の結末とは―?100万人が戦慄した傑作エモーショナル・サスペンス。2005年英オレンジ賞受賞作。

著者等紹介

シュライヴァー,ライオネル[シュライヴァー,ライオネル][Shriver,Lionel]
1957年、米国ノース・カロライナ州に生まれる。「マーガレット・アン」と名付けられるも、子供の頃から男勝りだったシュライヴァーは、15歳の時、自らの希望で「ライオネル」と改名。コロンビア大学卒業後は、ナイロビ(ケニア)、バンコク(タイ)、ベルファスト(アイルランド)などに移り住みながら、小説家・ジャーナリストとして活躍してきた。日本語翻訳版の刊行は2005年英オレンジ賞を受賞した『少年は残酷な弓を射る』が初となる。’07年に発表した『The Post‐Birthday World』は、’08年に米「エンタテインメント・ウィークリー」誌、米「タイム」誌の各ベスト・ブック・オブ・ザ・イヤーに選ばれた

光野多惠子[ミツノタエコ]
津田塾大学卒

真喜志順子[マキシヨリコ]
上智大学卒

堤理華[ツツミリカ]
金沢医科大学卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

382
上巻をはるかに上回るスピードで読み進めることになった。それだけの力がこの作品には漲っているからだ。エヴァが学校に駆けつけ、警察署、そして自宅に帰り着いたあたりの表現は、鳥肌が立つほどの迫真力に満ちている。そして、事件そのものは最初からわかっていたはずなのに、見せられる事実はそれをも凌駕する。エヴァの最後の手紙には比喩的にではなく、文字通り感情を揺さぶられ、心が震えた。素晴らしい小説だ!この読書体験を通して、エヴァの生を共に生きたような気がする。凄まじくも苦しい体験だったが、終局は不思議な浄化でもあった。2016/11/11

遥かなる想い

218
下巻のエヴァの独白は 「木曜日の事件」に向かって進む。 この物語が提示する親と子 の関係は重くつらい。 ケヴィンは生まれつき残酷だったのか、 まるで腫れ物を扱うかの ようなケヴィンへの視線は 我が子を好きになれない エヴァの本心なのか…心が 通わない母と息子、この 物語は現代アメリカ社会に 潜む病巣を描こうとしているのか…頻発する高校生による銃乱射事件をさりげなく 盛り込みながら、最後の 木曜日は後味の悪いもの だった。2015/12/30

nakanaka

92
ここまでインパクトのある小説は初めてかもしれません。決して面白いといった類の内容ではありませんが暗く深く重い作品でした。9.11やコロンバイン事件があった中でよくこの作品が世に出せたなと正直驚きましたが、それだけこの作品に訴えるものがあったということだと思います。特にアメリカの銃社会への嫌悪感がこれまで以上に増しました。これが全ての原因ではないのかと。クライマックス辺りのエヴァとケヴィンのやり取りには惹き込まれてしまいましたが彼のとった行動は常人には到底理解できないものなのだと感じました。2016/11/24

扉のこちら側

92
2016年979冊め。【232-2/G1000】下巻に入ってくると、この邦訳タイトルの意味もよくわかるようになるが、しかし一方でこの耽美的な訳が物語の本質的な部分から焦点をぼやかしてしまっていると感じる。エヴァのように子どもを愛せなかったらという不安を読者に突きつける展開はおもしろかった。シーリアが失明するのが両目ではなく片眼だけというのは、都合の良いようにしか物事を見ない両親への強烈な当てつけ。そして原題のweは読者全体を指し、我々に問いかけるのだろう。2016/11/09

metoo

66
イヤな予感を抱えながら、やっぱりという思いで読了した。事件は明らかになった。最悪の結末で。母親にとって、息子が自殺するのと、息子が人を殺すのと、どちらがマシなんだろうと考えた。自殺だと、全ての原因が自分にあると責めて生きるのだろう。人を殺しても然り。ただ、生きてくれている方がマシ、どころか、生きてさえいればいい。怖いもの見たさで読者をラストまで引っ張り、そして微かな明かりを灯してエンディング。著者あとがきが、母エヴァの語り口とそっくりだったのが少しだけがっかり。2017/06/20

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