感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きびたき
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収録されている『宇宙塵』を読んだ。故・大峯あきら氏の第六句集。地名を詠み込んだ句が多い。<日蝕の風吹いてゐる蓬かな><芍薬にあけたて重き襖かな><待宵の松の下なる立話><浜に来て返す電車や蘆の花><薪棚まんなか減つて蝶の昼>などの句が印象に残った。2023/06/04
きびたき
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収録されている『カムイ』を読んだ。櫂未知子氏の第三句集。<南風(みなみ)吹くカレーライスに海と陸>など、自由な発想の句が並ぶ。入口(読み始め)から出口(読み終わり)にかけて思わぬ方向へ連れていかれる句が多く、まとめて読むと変化球の連続に少々疲れてしまう人がいるかもしれない。しかし、句集はこれぐらいでなくては面白くない。俳人協会賞を受賞したのも納得である。<一瞬にしてみな遺品雲の峰>といった鮮明な映像が目に浮かぶ句、<遠足の列平凡な海に着く>など少し冷めた見方の句もよかった。2023/04/14