出版社内容情報
◆新進気鋭の俳人・村上鞆彦の鑑賞が光る、芝不器男俳句への格好の入門書!
永き日のにはとり柵を越えにけり(…◆新進気鋭の俳人・村上鞆彦の鑑賞が光る、芝不器男俳句への格好の入門書!
永き日のにはとり柵を越えにけり(大正十五年)
不器男の句で最も人口に膾炙しているもののひとつ。うららかな太陽の下で起こった珍事が、淡々と叙されている。この句について不器男自身が書いた文章が残っている。「いい作と自惚れるのではない。おれはこれがおれの道だと思ふ。愚鈍者の聚合せる俳壇なんといふものにまぜつかへされてたまるものか。この句を落す選者の不明を顧みる勿れ。おれがおれの信ずる通りにすゝめばいい」(「偶感」より)。端正で温雅な作風からは想像できないほどの強い言葉が並ぶ。自信、熱意、矜持。不器男の内心にはまぎれもない二十代の若さが充ちていたことを知る。
村上鞆彦[]
著・文・その他
目次
芝不器男の百句
芝不器男論
著者等紹介
村上鞆彦[ムラカミトモヒコ]
昭和54年(1979)大分県宇佐市生まれ。平成10年(1998)「南風」入会。鷲谷七菜子、山上樹実雄に師事。平成14年(2002)早稲田大学第一文学部卒業。平成18年(2006)南風賞受賞。平成23年(2011)南風編集長就任。平成26年(2014)南風主宰就任(津川絵理子と共宰)。現在、南風主宰・編集長、俳人協会会員。句集『遅日の岸』(2015刊)にて第39回俳人協会新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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