出版社内容情報
◆歌人入門(3)
言葉でありながら音楽であること。
◆収録内容より
…◆歌人入門(3)
言葉でありながら音楽であること。
◆収録内容より
君かへす朝の舗石さくさくと雪よ林檎の香のごとくふれ
白秋短歌の流れを全体的に眺めると、動から静へ、絢爛から枯淡へ、そして小から大へ、というふうに歌柄が変化しているように思う。そうして、変わることなく一貫しているのは、言葉のひびきの美しさ、言葉遣いのしなやかさである。
(解説より)
北原白秋の百首
解説 言葉でありながら音楽であること
高野公彦[]
著・文・その他
著者等紹介
高野公彦[タカノキミヒコ]
昭和16年(1941年)、愛媛県生まれ。東京教育大学国文科を卒業し、出版社(河出書房編集部)に勤務。のち青山学院女子短期大学国文科の教員となる。短歌は学生時代に作り始め、歌誌「コスモス」に入会、宮柊二に師事した。現在「コスモス」編集人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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榊原 香織
57
”病める児はハモニカを吹き夜に入りぬもろこし畑の黄なる月の出”『桐の花』 黄色を詠んだ歌に良いのが多いような気が。色彩感豊。2023/08/11
S.Mori
28
短歌の定型を可能な限り守りながら、その中でありとあらゆる美の世界を描き出そうとする姿勢に頭が下がります。素晴らしいのはどの歌もリズミカルで、口ずさみやすいことです。「春の鳥な鳴きそ鳴きそあかあかと外の面の草の日に入る夕」有名なこの歌は「あ」の音を連ねることで、言葉のリズムを整え、音楽的なものになっています。同時に「あ」の明るい響きが春の夕暮れの明るさに呼応しています。現代の日本の詩ではリズムや音楽性は重視されなくなりましたが、私は大切なものであると思います。この本を読んでそれを実感しました。2020/09/23
nao1
9
北原白秋の短歌百選です。白秋の言葉は「華」がある。童謡がポピュラーだが、短歌という定型詩の中でも音楽を感じられる。言葉に酔いしれるということが実感できる。天才。 2018/06/12