出版社内容情報
◆第一句集
ひたすらに紐組み花の過ぎにけり
技巧は必要がないと思わせられるほど外連味がない。組紐…◆第一句集
ひたすらに紐組み花の過ぎにけり
技巧は必要がないと思わせられるほど外連味がない。組紐という特異な句材を、万里子さんは当事者の視点で、力むことなく色付けすることなく描いた。万里子さんの体には今も組紐が染みついている。
(跋より・小田玲子)
◆自選十二句より
表札は横文字花も海も見ゆ
斎王の輿ゆつくりと青田中
吾が歳の母を知らざり初鏡
白黒の映画見てゐるちやんちやんこ
ひたすらに紐組み花の過ぎにけり
銀杏黄葉飛び発つやうに散りにけり
父の日や生まれし日より父似なる
羅の袖がふはりと琵琶を弾く
颱風の前の静けさ爪を切る
ベビーカー毛布の少し動きけり
序句・大串 章
紐打つ音 平成十三年?十六年 7
野菊晴 平成十七年?十九年 43
伊賀焼 平成二十年?二十二年 77
海峡大橋 平成二十三年?二十五年 111
遺品の時計 平成二十六年?二十八年 157
跋・小田玲子
藤森万里子[フジモリマリコ]
昭和14年 1月1日 三重県名張市に生まれる
昭和42年 「濱」入会 大野林火に師事
平成9年 「アカシヤ」入会 松倉ゆずるに師事
平成12年 「百鳥」入会 大串章に師事
平成14年 「アカシヤ賞」受賞
平成14年 「アカシヤ」同人
平成16年 「百鳥」10周年記念俳句の部最優秀賞受賞
平成17年 「百鳥賞」受賞
平成17年 「百鳥」同人
平成25年 「アカシヤ」退会
現在 俳人協会会員
目次
紐打つ音 平成十三年~十六年
野菊晴 平成十七年~十九年
伊賀焼 平成二十年~二十二年
海峡大橋 平成二十三年~二十五年
遺品の時計 平成二十六年~二十八年