内容説明
なにもないけど、時間だけはたっぷりあった。1983年~1988年のあの頃、ライターになってはみたけど、先行きは未確定。北尾トロと下関マグロのコンビがふたりの原点を振り返る青春ボンクラエッセイ。
目次
第1章 出版業界に転がり込んだ―1983年3月~1984年8月
第2章 かくも長き助走―1984年8月~1985年3月
第3章 時間だけはたっぷりあった―1985年8月~1985年12月
第4章 トロとマグロの誕生―1986年1月~1987年1月
第5章 脳天気商会―1987年1月~1988年1月
第6章 先行きは未確定―1988年4月~1988年12月
著者等紹介
北尾トロ[キタオトロ]
伊藤秀樹。1958年、福岡市生まれ。小学生の頃は父の仕事の都合で九州各地を転々。東京都立日野高校、法政大学卒。個人事務所(株)ランブリン代表。NPO法人西荻コム理事長。西荻ブックマークスタッフ。季刊ノンフィクション雑誌「レポ」編集・発行人
下関マグロ[シモノセキマグロ]
増田剛己。1958年、下関市生まれ。大学卒業後、出版社や広告代理店を経て、26歳でフリーライターとなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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西澤 隆
6
ふと清水義範の青年期を振り返る小説群に出てくる「フィールド」という会社を思い出した。このエッセイに出てくる先輩ライター「パイン」の会社はその後どうなったのかなあ。ある意味日銭稼いで気ままなその日暮らしのように見えるけれど時にめちゃくちゃ働いたり仕事がないことがそのまま体重減と直結してたり。今の社会問題「貧困」とはまったくちがった気質と環境が見える。この生活は振り返るからお気楽に見えるけど実際の閉塞感はものすごかったんじゃないかなあ。裁判傍聴記などで後に名を売る怪しい古本屋北尾トロ(と下関マグロ)の青春期。2016/08/23
フク
2
★★★★☆。北尾トロと下関マグロ両氏の、出版業界に飛び込んでからライター修行時代、貧乏時代、正に青春ど真ん中である昭和末期の彼らとその周辺を描いた一大青春群像。80年代の業界に関わった人なら誰でも知るいい加減な空気感が懐かしくも楽しく、業界にもまだ彼らのような若い余力を許容する力があった、それはそれで良い時代だったのだなあと思う。出版不況と言われて長い今、彼らのような若者はどうしているのだろうか、とふと思った。2012/06/29
anken99
1
正月、酒を飲みながらグダグダと読み進めたが、これがまた、実に味わい深い青春譚なのである!世代的には一世代よりチョイ上のお二方。ダラダラと過ごす20〜30代の日々に共感できるのは、ワタシが編集の仕事をしているからという理由にはとどまらないだろう。金はなくても夢はある⁈全編を通してギトギトした感じや、仲間たちが反目するシーンがないのは、お二方の性格もあるように思う。いうまでもなく、この本に描かれた自体のあと、彼らは大成功するわけで。オッさん世代に入ったワタシだが、本書はたまに手に取りたいように思える一冊だ。2017/01/02
neba3
1
面白かった。今の時代もこんなふうに生活していけるのかな。2011/09/16
貧家ピー
1
悪く言えば行き当たりばったり、良く言えば前向き。 簡単に真似しちゃいけないが、ごちゃごちゃ言わずとにかくやってみる精神はプラスにとらえたい。2011/08/25