内容説明
心ばえ。心延え、と書く。「心映え」「心栄え」と書く人もいる。大して変わらないのだろうが、「映え」や「栄え」がなんとなく心の静かな状態を表しているのにくらべて、「心延え」には、もっと動的な、相手を思いやり気遣う、ひたすらな心働きのようなものを感じる。人情とはひと味違う、そんな山本周五郎の傑作七編をオリジナルに編集。
著者等紹介
山本周五郎[ヤマモトシュウゴロウ]
1903・6・22‐1967・2・17。本名:清水三十六(しみずさとむ)。山梨県生まれ。小学校卒業後、質店の東京木挽町の山本周五郎商店に徒弟として住み込む(筆名はこれに由来する)。雑誌記者などを経て1926年「須磨寺付近」で文壇に登場。庶民の立場から武士の苦衷や市井人の哀感を描いた時代小説、歴史小説などを発表。1943年、『日本婦道記』が上半期の直木賞に推されたが受賞を固辞。『樅ノ木は残った』『赤ひげ診療譚』『青べか物語』など、とくに晩年多くの傑作を発表し、高く評価された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ひさか
24
講談雑誌1949年11月号おれの女房、講談倶楽部1951年3月号湯治、1954年3月号三十ふり袖、オール讀物1955年7月かあちゃん、キング1955年8月号釣忍、面白倶楽部1955年11月号水たたき、講談倶楽部1957年11月号ちいさこべ、の7つの短編を2022年12月本の泉社から刊行。シリーズ3作目。「おれの女房」は山周さんの季節のない街の「僕のワイフ」に通じる奥さんもので面白い。ちいさこべは既読だが、茂次のだんだんと心が決まって行く様子に頷いてしまい、物語に楽しさがある。やっぱり山周さんいいです。2023/08/01
雲國斎
11
山本周五郎は、時々思い出したように読む。全7短編。どれもしみじみとした味わいがある佳作だ。このなかでは「釣忍」がいちばん好きかな。山本作品は、かつては中学国語の教科書にも掲載されてたが、今はどうなのかな?2024/05/31
GO-FEET
6
昨年読んだ「人情ものがたり」2冊に引き続き、〈本の泉社〉の山本周五郎オリジナル傑作選。今回も素晴らしい短篇が並んでいます。しかも前回のような誤字脱字もなく、いやぁ〜完璧!2023/02/21
yoshigon
3
山本周五郎の作品、7編が掲載されている。70年以上前の作品なのに今読んでもちっとも古くない。懐かしく思いました。2023/08/15
chuji
3
久喜市立中央図書館の本。2022年12月初版。「おれの女房」「湯治」「三十ふり袖」「かあちゃん」「釣忍」「水たたき」「ちいさこべ」の七編。全てオイラが生まれる前の半世紀以上前に書かれたものです。流石!2023/04/05
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