内容説明
2024年9月26日、元死刑囚の袴田巌さんに再審無罪判決が出された。日本の死刑制度の実態は?国際社会の流れは?情報公開、冤罪、被害者感情など、あらゆる側面から事実を知って、考える。
目次
第1章 日本の死刑はどうなっているのか(死刑とはなにか;死刑になる罪 ほか)
第2章 国際社会と死刑(世界の潮流は「死刑廃止」;死刑執行件数から読み取れること ほか)
第3章 死刑と情報公開(特ダネだった死刑執行;「お答えを差し控える」理由とは ほか)
第4章 「冤罪」と「被害者感情」(袴田事件と再審無罪;繰り返された「死刑」から「無罪」 ほか)
第5章 死刑はどうなっていくのか(死刑賛成は「8割」なのか;見直された質問内容 ほか)
著者等紹介
佐藤大介[サトウダイスケ]
1972年、北海道生まれ。明治学院大学法学部卒業後、毎日新聞社を経て2002年に共同通信社に入社。韓国・延世大学に1年間の社命留学後、2009年3月から2011年末までソウル特派員。帰国後、特別報道室や経済部(経済産業省担当)などを経て、2016年9月から2020年5月までニューデリー特派員。2021年5月より編集委員兼論説委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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冬将軍
6
「死刑のある国」に暮らすからには、納税者として「国家による合法的な殺人」に加担しているのだから死刑制度について事実を知り、考える必要がある。ところが日本の死刑執行は150年以上も絞首刑のままで詳細が伏せられており、社会的に議論もされていない。法務省は死刑確定者の外界との接触を遮断するのは死刑囚の心情安定を害する恐れがあるからというが、むしろ死刑執行以前に社会から抹殺された状態は、精神心情を蝕み、それが冤罪であった場合の弊害は取り返しがつかない。AP通信のベテラン記者グラチェク氏はジャーナリストの役割と→2025/04/14
トト
2
死刑制度について理解し、考えてみようとする本。オウム真理教の面々の死刑が執行された時、ショックを覚えた記憶がある。重犯罪者で極刑は免れないとしても、執行まではまだまだ時間がかかると思っていたせいだと思う。事件を隠蔽しようとする動きがあるのかと勘繰るぐらい違和感があった。袴田事件のような冤罪事件。長期間にわたる拘束。クローズドな環境。被害者感情。死刑支持率。色々検証してみると、国民の総意で作り上げたシステムというより、人じゃない何か大きな力によって維持されている気がしてしまう。気持ちの悪さを感じてならない。2025/03/08
Go Extreme
1
死刑制度:日本の現状 法的枠組み 執行方法 刑罰の矛盾 死刑囚の処遇 精神的負担 社会的影響 法務省の情報非公開 世論調査 国際比較:国連の立場 廃止国の増加 死刑存続国の傾向 代替刑 終身刑 人権問題 国際圧力 世論の変化 死刑廃止の課題 冤罪と公正:誤判の危険性 再審の課題 情報公開の必要性 被害者感情 司法の透明性 冤罪事件 取り調べ問題 誤認逮捕 死刑制度の限界 今後の展望:終身刑導入 刑罰の見直し 司法改革 世論の変化 人権擁護 透明性向上 公平な裁判 刑事政策 未来の刑罰制度2025/03/11