内容説明
生きることが「自己責任」でない社会へのたたかい。日本で生活保護ワーカーをしてバーンアウトした私が、フランスで出産・子育てして出会った子どもと家族をまるごと支えて育てる社会のかたち。すべての子どもがしあわせな子ども時代を送るためのヒントと勇気が詰まっています!
目次
ライフステージをつなぐフランスの子ども家庭福祉とソーシャルワーク
1 市民を育てる
2 子どもの権利
3 生活保障
4 親という実践を支える
5 家族まるごと支える福祉
6 ジェンダー、性と子どもの育ち
著者等紹介
安發明子[アワアキコ]
フランス子ども家庭福祉研究者。1981年鹿児島県生まれ。小学校時代4年間をスイスで過ごし、スイスの学校に通う。一橋大学社会学部卒業。学生時代に学習ボランティアとして訪れた児童自立支援施設で衝撃を覚え、全国とスイスで児童保護分野の機関のフィールドワーク調査を行い、日本とスイスの子どものライフヒストリーを描いた『親なき子』(ペンネーム;島津あき、金曜日)を出版。生活保護ワーカーとして働いたのち2011年渡仏。フランス国立社会科学高等研究院健康社会政策学修士、社会学修士。日本からの視察や調査のコーディネートや通訳、オンライン講演も多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さんた
4
日本とフランスで存在している子育て支援制度はほとんど同じ。違うのは、フランスでは「全ての人に福祉が行き届いているかどうか」を専門職が確認し、届いていない人がいたら一緒にいい方法はないかを考え動いてくれること。かたや日本は福祉サービスを受けたい人からの申請がなければ支援は始まらない。日本では相談したところで「うちでは対応できませんねぇ」って言われることもある。市民が共有している「価値」、社会として何を大切にしていくのか、日本でももっともっと議論が深まるといいなと思った。2023/08/19
takao
3
ふむ2024/05/09
PukaPuka
3
日本は焼け野原から短期間で経済成長するのに無理をしたため、今になって種々の問題が起きているという指摘があるが、この本を読むと、日本はフランスに比べて社会の成熟度が低いと思う。未だに2週間の連続休暇も取れず、夫婦別姓も認められず、性教育も遅れている、性差別も課題が多い。でも、治安が良いのと基本的にはまだまだ人を信用できる社会であることなど、良い点もある。日本は変えるべきところをもっと速いスピードで変えないとまずいと思った。2024/02/24
うー
0
フランスもそんな昔でない頃に変わってきたんだなと知る。日本も少しずつ良い制度が増えてくれば2024/08/30