内容説明
戦争はなぜ起きるのか、どうすれば平和を守れるのか。第一次・第二次の世界大戦の教訓を深く掘り下げることによって、現下のウクライナ戦争が突き付けた大問題への解答を探っていく。あわせて、両大戦とともに誕生したソ連型社会主義が崩壊した原因を解明しつつ、広い意味での社会主義の可能性にも言及していく。
目次
第1章 最初の世界戦争はなぜ起き、何を残したか(サラエヴォの銃声―世界大戦はなぜ起きたか;日本の青島占領と中国;民族意識と民族運動の高まり―世界大戦後のアジア ほか)
第2章 世界を変えた第二次世界大戦(世界に波及した暗黒の木曜日;シナリオどおりの満洲占領;緊迫するヨーロッパ情勢と平和運動 ほか)
第3章 社会主義の模索と東西冷戦(社会主義とは何か―一九世紀西欧から広がった思想と運動;ロシア革命が生んだソ連型社会主義;二〇世紀西欧、日本の社会主義 ほか)
著者等紹介
久保亨[クボトオル]
信州大学特任教授、東洋文庫研究員。専門は中国近現代史。一橋大学大学院博士課程中退(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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coolflat
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66頁。満州事変。日本の侵略が始まった時、満州には45万人の中国軍(正規軍は27万人)がおり、満州に駐屯していた関東軍1万4000人をはるかに上回っていた。しかしその中国軍は各地で散発的な抵抗を見せただけで、全体としては事変発生から数日を経ぬうちに軍事行動を停止している。なぜ中国軍は抵抗しなかったか。国際連盟を基軸とする国際世論の力が日本の不当な侵略を阻むことを期待し、中国は軍事力による抵抗を自ら停止したのである。28年にパリ不戦条約が結ばれ、国際的に戦争を認めない思想が広がっていたことも中国を勇気づけた2025/11/19




