内容説明
古代・中世史を踏まえつつ、「近世」におけるグローバルな経済変動と交流などを通じてできあがった「伝統社会」の姿を描くとともに、近世との連続性と断絶を意識しながら、東アジアの近現代史の特徴を概観し、その現在地点を論じることによって、現代の課題にどう立ち向かっていくかを提示していく。
目次
第1章 東アジアの「基層社会」と古代・中世
第2章 近世前期の東アジアと一六世紀のグローバル化
第3章 東アジアにおける小農社会の確立と「勤勉革命」
第4章 東アジアの「朱子学化」「近世化」「中国化」
第5章 東アジアの近代:ナショナリズムと開発
第6章 東アジアの現在地点:「圧縮された近代」の帰結
終章 過去と未来の対話
著者等紹介
桃木至朗[モモキシロウ]
日越大学(ベトナム)教員、大阪大学名誉教授。専門はベトナム史、海域アジア史、教養教育と歴史教育ほか。博士(文学)取得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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coolflat
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52頁。北海道・東北北部でもやはり平安・鎌倉後期に当たる時期に、擦文土器や、本州交易および北回りの大陸との交易で入手したと見られる鉄器などを使用し雑穀農耕を行う「擦文文化」が展開した。防御を考えた環濠集落や高地性集落の出現がやはり軍事抗争と政治権力の出現をうかがわせる。それらを基盤に14世紀以降にはアイヌ文化が形成される。しかしそれは琉球とは対照的な性格をもっていた。琉球が元々もっていた太平洋の島々と共通するイモ類などの農耕文化を維持し、そこに中国東南部や日本本土と共通の要素も受け入れてゆくのに対し、2024/11/07