内容説明
「世界」とはそもそも何なのか。17世紀以前のアジアを対象に、各地域世界の誕生、発展とその一体化の歴史を追う。その際、ヨーロッパとアジアがどう出会い、お互いをどう認識したのかを重視し、「出来事の歴史」の積み重ねをふまえつつ、その意味を分析することによって、「考える歴史」として捉えていく。
目次
第1章 世界史のなかの諸世界と相互作用圏
第2章 農耕社会と遊牧社会の形成
第3章 初期文明と国家の形成
第4章 地域世界と相互作用圏
第5章 地域世界の分裂と一体化
終章 「近世」のはじまり―長い一六世紀
著者等紹介
渡辺信一郎[ワタナベシンイチロウ]
京都府立大学名誉教授、中国古代史。京都大学大学院文学研究科博士課程単位修得退学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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coolflat
14
107頁。殷の拡大勢力は殷後期になって導入された戦車軍団の活躍による。殷は勢力範囲にある諸集団からの貢納によって従属関係を確認した。殷は前1064年ころ滅亡した。周は新たに封建制度を作り、各地に諸侯を派遣して各地の諸血族集団を統合した。封建制は、周王が侯となる人物(首長)に身分序列を表示する青銅祭礼器・武器とともに封土・族集団を再分配し、見返りに貢献物の貢納や祭祀・戦争の助成を割り当てて、各地に派遣するもので、中心となる周王のもとに複数の下位首長・族集団を階層制的序列に組み込んで統合する政治秩序である。2023/11/27
ほうすう
12
一七世紀以前の世界史、この巻では主にアジア圏をメインとして扱っている。個々の人物や事柄・特定の国家に即してというよりもそれぞれの文明がどのように影響し合って発展してきたのかという相互作用の解説に重きを置かれている。グローバルな世界史と言える。個人的にはちょっと難しかったと思うのだが高校生向けの書籍なのか…。2025/04/24