内容説明
パレスチナに生きる女性たちのちいさな願い、祈り、声。バスマ(ママ)は分離壁が造られ土地を奪われてしまったビリン村に、マハはたび重なる軍事侵攻に苦しめられているジェニン難民キャンプに暮らしています。わたしたちと同じように、懸命に生きているママとマハ。「いつかいっしょにお茶を飲もう」という願いは、果たして叶うのでしょうか。
著者等紹介
高橋美香[タカハシミカ]
写真家。広島県府中市生まれ。大学在学中より世界の国々を歩き、その地に生きるひとびとの「いとなみ」をテーマに撮影を始め、作品を発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒラP@ehon.gohon
22
パレスチナの2つの家族の生活を追い続けた写真絵本です。 物語性はないのですが、パレスチナという場所で生きていくことに、いかに危険と哀しみがあって、それでも精一杯の幸せを求めて行こうとする姿が焼きついてきました。 パレスチナの当たり前と、日本での当たり前との差異を感じながら、生きるという人間の根源を考えます。2023/08/30
りらこ
20
分離壁が突然敷地内にできる日常。難民キャンプに嫁ぐ気持ち。命が軽く、悲しみは同じように深い。オリーブの実をわざと残しておく、喪に服す期間の行動制限がある女性。慣習が人を縛るうえに、侵攻を受けている日常。家族がいつ殺されるかわからない。危険と隣り合わせの危険度の高いこと。これらはねぇ大変でしょ?という論調ではない。受け取る側が受け取る、写真絵本。知らない?読めば知れる。2024/03/26
tellme0112
5
今年出た本だったのだ。こんなにも簡単に人が殺されてゆく。悲しい。天国でしか会えない。2023/10/24
のんたろう
3
ママとマハはパレスチナ人女性。作者はそれぞれの家に居候し、家族の一員のように深い関係を築く。二人の暮らしの中でこぼれる言葉に何度もはっとさせられた。朝、夫や息子を送りだすときの無事に帰って来られるのかという不安、祈るような気持ち。目の前で、子どもの見ている前で家族が拷問を受けたり、親戚や友人が投獄されたり殺されたり。そんな暮らしを送りながらも、ささやかな喜びを見つけながら生きる二人の生きる力。「ただの数ではなく、名前も顔もない「テロリスト」でもなく、同じ時代に生きた個性ある人びとなのだ」。2023/05/28
NOYUKI
2
生まれる場所によって決められた運命…。なんだかなー。知ることは大切だ。けど、わたしにはどうしようもない、何もできない、よね。それとも何かできることがあるのだろうか。2023/08/03