内容説明
鬼滅の里、近世城下町、移住の村、遊廓、花街、監獄、練兵場跡―。地図からよみがえる風景と暮らしの移ろい。刻まれた「物語」に出会う。
目次
第1章 大和高原―巨石と茶畑の景観
第2章 奈良盆地―水環境をめぐる問題
第3章 奈良―都市化と周辺的都市施設の立地
第4章 大和郡山―都市空間の歴史
第5章 生駒・天理・三輪―門前町の歴史地理
第6章 奈良市街―「地理総合」のモデル巡検
第7章 十津川―「母子の村」の130年
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Shoji
37
奈良女子大学の地理学の先生方が地勢図を基に、奈良の歴史や文化を解説しています。切り口がとてもユニークで斬新でした。例えば、生駒聖天さんは山と山に挟まれた地にあります。そこでは、宝山寺という「聖なる場所」に、生駒新地という「俗なる場所」を出現させ、女町エレジーという歌を作らせた。そんなことを地理学的に説明しています。私は、歴史地理学なるものが好きなので興味を持って読むことができました。2022/05/24
わ!
4
奈良女子大学に「地理学コース」が作られる記念(?)に、その担当教員が記述した論文集。奈良と言えば歴史の町ですが、それを育んできた奈良という土地はどのような姿なのか…などが語られていて面白い。奈良盆地と大和高原の関連性なども語られている。この間を役牛がたくさん行き来する光景が、昭和30年頃までは見られていたというのには驚きました。地理学と言って地学のような話だけではなく、街並みの変遷などもテーマにするなど、地理学の汎用性が読み取れる一冊にもなっています。地理学も奥が深そうです。2022/10/21
ギブソン
3
地図や地理が大好物なので、とても興味深く読めました。今昔地図はじっくりと見てみたいと思いました。2024/05/06
イエテイ
3
奈良県を地理地形から解説していて面白かったです。降水量が少ないとか茶畑のこと、巨石信仰、水の確保、門前町と女街、都市空間と跡地利用、最後は十津川村でした。今まで気づかなかったことも多くなるほどでした。2024/03/20
きりんだよ
2
観光者向けではない。 2024年から高校の必修科目に地理総合が加わるというのが衝撃的だった。 最後の章で、数々の地図に関する統計データの紹介があり、興味深かった。高校地理総合の教科書を買ってみようかな。2024/03/18
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