内容説明
テレビディレクター30年の著者が、ドキュメンタリー制作の過程で邂逅した人々の、まなざしに宿った力と背後に広がる世界を綴ったエッセイ集。近現代史のなかで葛藤した人々の、戦争や不条理な権力に翻弄された経験に裏打ちされた言葉が、重く深く、体の奥に染みこむ。
目次
静かな光―カズオ・イシグロ(ノーベル文学賞受賞作家)
鎮魂の祈りをこめて―西村勇夫(長崎・浦上の潜伏キリシタン子孫、被爆者)
老酔狂の意志と矜持―西部邁(“保守の論客”といわれた思想家)
赤い背中の悲しみ―谷口稜曄(被爆体験を世界で語り伝える)
父なるまなざし―後藤文雄(カンボジア難民に尽くす型破り神父)
傷ついた少年の心―メアス・ブン・ラー(元ポル・ポトの少年兵、カンボジアで教育支援)
本土に問う―大田昌秀(元鉄血勤皇隊員、元沖縄県知事)
人と人のあいだ―無着成恭(「やまびこ学校」の実践、教育者、僧侶)
大切なものは何―本田哲郎(カトリック神父、大阪釜ヶ崎の労働者の中で働く)
涙の理由―義父と実母(二人の死に直面して考えたこと)
教育は国家のものじゃない―大田堯(教育界のレジェンド、日本子どもを守る会名誉会長)
少年のような、それでいて鋭く―ドナルド・キーン(日本文学・日本文化研究の第一人者)
国境を越えたブルース―新井英一(コリアンジャパニーズの歌手)
見えない糸―檀一雄(“最後の無頼派文士”、直木賞作家)
大津波と万里の長城―田畑ヨシ(田老の二度の津波を語り継ぐ絵本作家)
哀しみに満ちた奥にあるものは―李鶴来(訴え続ける韓国人元BC級戦犯)
奪われた日々―三人の女学生たち(長崎の兵器工場で魚雷作りに従事して被爆)
遠い祖国―加藤登紀子(歌手デビュー55年、未来へ)
パーパ、来訪―フランシスコ(日本に特別の思いを寄せるローマ教皇)
信と義に殉じて―中村哲アフガニスタンに命を捧げた医師)
著者等紹介
渡辺考[ワタナベコウ]
1966年東京都生まれ。テレビディレクター・プロデューサー、作家。早稲田大学政治経済学部卒。1990年NHK入局、ETV特集、NHKスペシャルなどを担当し、手がけた番組でギャラクシー賞選奨、放送文化基金賞、橋田賞などを受賞。近著の『ゲンバクとよばれた少年』(講談社)は第24回平和・協同ジャーナリスト基金賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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