内容説明
今なお朝鮮戦争の延長線上にある東アジア。米朝会談、日朝・日韓対立の原点はここだ!歴史家、元外交官、市民運動家が、70年間の歴史を新視角から紐解き、「新アジア戦争」終結の方途を探る。
目次
第1章 東北アジアと朝鮮半島に平和体制をつくる(東アジアの戦争体制―朝鮮戦争と日米安保・サンフランシスコ体制;東北アジア情勢の変化と持続する米朝対峙 ほか)
第2章 朝鮮戦争と日米同盟の経緯(戦後の日米安全保障関係の推移;戦後の日本外交における北朝鮮問題、歴史的経緯 ほか)
第3章 日韓関係と安倍晋三長期政権―植民地支配と侵略戦争の歴史的責任(アメリカ側の強い働きかけ;元徴用工への賠償をめぐる韓国大法院判決 ほか)
第4章 朝鮮戦争70周年、アジアと日本の安全保障 鼎談(戦後冷戦体制と朝鮮戦争;朝鮮戦争の展開と国連の関わり方 ほか)
著者等紹介
和田春樹[ワダハルキ]
1938年、大阪府生まれ。東京大学社会科学研究所名誉教授、歴史学者。ロシア・ソ連・朝鮮半島の近現代史に関する著書多数
孫崎享[マゴサキウケル]
1943年、旧満州生まれ。東京大学法学部を中退し、外務省の駐ウズベキスタン大使、国際情報局長、駐イラン大使、防衛大学校教授などを歴任。東アジア共同体研究所長
小森陽一[コモリヨウイチ]
1953年、東京都生まれ。東京大学名誉教授、日本近代文学研究者、「九条の会」事務局長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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井上裕紀男
13
未だ終わらぬ朝鮮戦争、その所以に近づける。権勢に対する見方が偏った箇所も一部あるやにも思えますが、解決策が見出されていても、交渉相手が変わり支援してくる者が横槍を入れて和平が遠ざかることが良く分かります。 小泉・安部元首相も戦略を描き切れていないこと、大国の意向を無視しても駄目、北朝鮮が核兵器を使わずに目的を果たせる支援が必要、いずれも腹落ちする内容です。 安全保障・巻末の対談も一般的に語られない話があり、学びがあります。 日本抜きで大国同士が東アジアをかき回さぬよう、日本の指導者方にぜひお願いしたい。2023/12/30
一郎二郎
2
①米は核兵器使用を先制核攻撃も含め肯定している。その脅威に晒され続けいるのが北朝鮮。米が北朝鮮を敵とみなし続けるのは、自国の兵器産業の利益の為、北朝鮮が自力で核攻撃力を持とうとするのは理解可能だ。②日本の政局変遷の裏には米の意向があった。日本は米に従属していればいいという日本人が多くなるのも理解可能だ。しかし米は日本が軍事攻撃を受けても守る義務はないと公言しているし、実際守らないだろう。今の政府は国民をヘイトに導く事で困難を隠している。右翼も左翼も重要ではない。力の方向を読みながら梶を取る事が重要である。2024/02/01
Hisashi Tokunaga
2
①18年韓国大法院の徴用工問題判決は1965年締結の日韓条約から1966年の国際人権規約さらに1979年に同規約の日本批准の流れが伏流しているようだ。国際法違反を言い募る為には、1972年の日中共同声明や2007年の最高裁判決による西松建設、三菱マテリアルほかへの和解金支払いとの対中国との整合性を見る必要がありそうだ。 ②新安保条約5条があるから米国は日本を防衛する義務があるとするには勝手読みだとのこと。米国憲法では交戦権は議会にあり、議会承認あって参加するのだという事を押さえろと言う。 安倍政権批判書?2020/07/26