目次
第1章 「戦後問題研究会」に集結した復興の志士たち
第2章 泣く子も黙る「あんぽん」
第3章 官庁エコノミストが命を懸けた経済白書
第4章 市場経済下の経済計画
第5章 行政の先駆け役を果たした国民生活局
第6章 見果てぬ夢を追い求めた総合開発局
第7章 国際経済の荒波に翻弄された70~80年代
第8章 戦後最悪の不況の修羅場
終章 経済企画庁が戦後日本経済に果たした役割
著者等紹介
塩谷隆英[シオヤタカフサ]
1941年鎌倉市生まれ。1966年東京大学法学部卒業。同年経済企画庁入庁、同庁秘書課長、国土庁計画・調整局長、経済企画庁調整局長を経て1998年経済企画事務次官。その後総合研究開発機構(NIRA)理事長、株式会社クラレ取締役(社外)、早稲田大学アジア太平洋研究科客員教授、公益財団法人労働科学研究所理事長などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tacacuro
2
元経済企画事務次官による今は亡き経済企画庁への「墓碑銘とレクイエム」という労作。その元祖である経済安定本部以来の、経済白書、経済計画、国土総合開発、消費者行政、物価行政、市場開放などを巡る先人達の活躍ぶりをイキイキと描く。経済企画庁と、その機能を引き継いだはずの現在の内閣府との間では「大きな断絶がある」という。特に、国民各層の欲求を集約しながら、政権の長期的な戦略を策定する部門が足りないと。2018/02/06
すのす
2
元経企庁次官による、経企庁を懐かしみ、反省し、そーいう組織があった方が良い、という本。章ごとにたまに時系列がややこしくなるが、いずれにせよ歴史としてうまくまとまってると思う。経済計画のところはもちろんだが、国民生活局パーツと水質関係のところは、問題の広がりや関係者との調整など広がりがあり、面白い。人名も多く出てくるし、注釈も参考文献的に使え、旧経企庁のものはあまり見たことがないということもあり、役人・役所の歴史本としても、興味深く読める。経済学部卒なので、エコノミスト的立ち回りには興味はあるところ。2017/12/11