内容説明
アベノミクスを検証し、もう一つの市民的経済成長プランを提言。構想力に富む大物経済学者と新進気鋭の経済学者による、刺激的な対論。
目次
第1部 “講演”経済学ともうひとつの日本と地域(アベノミクスはなぜ失敗するのか、何をもたらすのか;反緊縮時代の世界標準経済政策)
第2部 “対論”経済学と日本の進路について(松尾教授の質問と金子教授のそれへのコメント;金子教授の質問と松尾教授のそれへのコメント;会場からの質問に対する回答)
第3部 “提言”経済学への異議申し立てから新たな創造へ(「レフト3・0」の経済学:何が同じで、どこが違うのか;多様性に基づく経済学の新たな創造へ)
著者等紹介
金子勝[カネコマサル]
慶應義塾大学経済学部教授。1952年東京都生まれ、東京大学経済学部卒業。専門は、制度経済学、財政学、地方財政論。提言は、歴史的見地からの現代経済の位置、不良債権問題、企業改革、社会保障や地方分権化など幅広い分野に及ぶ
松尾匡[マツオタダス]
立命館大学経済学部教授。1964年石川県生まれ、金沢大学経済学部卒業。久留米大学経済学部教授を経て、現職。専門は理論経済学。現代社会が抱える現実的な問題にコミットしつつ、現在の政権に対するオルタナティブを提示、野党の経済政策のあり方についても厳しい指摘をしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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むっち
4
アベノミクスは破綻している。このまま金融緩和政策はやめることもできず、いつかどこかで円高で財政政策が破綻する。アベノミクスが失敗なのはだいぶわかってきたが、金融緩和依存症になった日本経済を救う道はあるのか。これが、おおかたの人が次に聞きたい質問だろう。 それに答えようとする試みは分かるが、結局、金子先生の目指す政策を誰が作って誰が担うのか本では分からない。要するに主体は貴方自身だということなんだろう。アベノミクス批判で終わらずボストという以上、次の希望や展望を語らなければならない。道筋の模索は続く。2018/08/19