内容説明
9・11以降の「テロとの戦い」の正義とは。安倍政権の自衛隊南スーダン派遣の前途は。難民と子どもたちを救う手立てはあるのか。ISなど「イスラム過激派集団」の実態とは。トランプ米大統領誕生で中東問題の今後は。戦場ジャーナリストが戦火の現場から徹底検証。
目次
序章 中東問題とは何か―「シリア内戦」を軸に
第1章 フランス同時テロから「テロとの戦い」を考える
第2章 トルコ国境で「シリア内戦」を考える
第3章 戦争はなぜ始まり、どう伝えられるのか
第4章 南スーダンとトルコ・クーデターの「不都合な真実」
第5章 「アラブの春」のダブルスタンダード
第6章 平和の切り札「北風と太陽」
第7章 イラク最新取材から「トランプ時代の中東」を考える
著者等紹介
西谷文和[ニシタニフミカズ]
1960年、京都市生まれ。立命館大学理工学部中退、大阪市立大学経済学部卒業。吹田市役所勤務を経て、現在フリージャーナリスト、イラクの子どもを救う会代表。2006年度「平和協同ジャーナリスト大賞」を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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サトシ@朝練ファイト
29
実際に著者が空爆地に取材し犠牲となった人たち(大やけどを負った子供たち)が痛々しい。こう考えるといかがか–そもそもテロの原因は何だ?空爆で儲けている国は?儲けている人たちは?個人的に日本ならまだ容易に答えが出せると思う。ドイツにある平和村ってすごいなぁ。2017/06/03
ophiuchi
17
大怪我、大火傷をした人たち(子供も多数)や、爆撃を受けた建物の写真などが多く掲載され、ほとんどの日本人が見聞することがないシリアやアフガニスタンなどの悲惨な状況・現状が詳しく紹介されている。戦争が無くならないのは「儲かる」からという「不都合な真実」から、多くの人が目を背け、背かされていることを著書は糾弾している。 2017/06/23
紫の煙
9
そうとう危険な所にばかり行っている著者だ。色々主張が広がり過ぎている感はあるが、概ね多くの日本人が共感できる内容だろう。それにしても内戦をしている国の多い事、大国の思惑が絡んでくるから終わりが見えない。2017/06/04
ぴっちゃん
3
シリア内戦やIS、南スーダン、欧米のテロなどについて、表層的な解説のみでは、真実を知ることができないことがよくわかった。戦争が始まり、終わらない理由は戦争で儲ける人々がいるためであること、センセーショナルな報道によって「戦争・空爆は仕方ない」というという空気が作られていくことにだまされてはいけないことを改めて心に刻んだ。世界の紛争地を実際に取材した、真実の重みを感じた。個人的に一番ショックだったのは、福島原発でなぜ地下水があふれつづけている理由、より震源地に近いのに重大事故のなかった女川原発との比較だった2017/08/23