内容説明
並み居る保守・右翼団体を糾合し、半数近い国会議員を結集する歴史観は侮れない。日本の非道を列挙するやり方でなく、歴史の光と影を統一する方法論を提示する。
目次
序章 光と影を統一的に捉える見地で
第1章 独立を保った誇りと奪った悔恨は切り離せない
第2章 侵略の定義は日本がつくったようなものだ
第3章 アジア解放の建前と本音はどこで交錯するか
第4章 勝者の裁きと文明の裁きの狭間で
終章 現在の若者へ、靖国に祀られた若者へ
著者等紹介
松竹伸幸[マツタケノブユキ]
ジャーナリスト・編集者、日本平和学会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ほじゅどー
11
★★★日本会議の面々が東京裁判を批判するのは日本とドイツだけが裁きを受けたから。第二次世界大戦以降、(主に米国による)侵略戦争はいくつも起きたが裁かれる国はなかった。日本会議史観派(日本の主導者)は米国の侵略を批判できないというジレンマを抱えている。日本は例え米国であれ侵略する国があれば批判すべきである。イラク戦争の時も米国の同盟国であるフランス、ドイツ、カナダは米国に反旗を翻した。米国の戦争に反対したことがない同盟国は日本だけ。これは哀しい。2017/01/12
SK
1
24*かもがわ出版から出ている本だし、思いっ切り左寄りなのかと思いきや、意外とバランスを取る立場だった。まぁ、それが「日本会議史観」を乗り越える為の戦略なのかもしれないが。2017/01/21
zikisuzuki
0
日本会議史観を克服しなければならない。日本会議に警鐘を鳴らす為だけでなく、日本会議を推す人々もだ。国際法の歴史的な観点から成立前の戦争にまつわる論点をスッキリと明確にしてくれた。何よりも日本会議派の人々の、戦勝国にして大事な同盟国であるアメリカへのストレスについての指摘は的を得ていて、その克服方法まで提示する親切ぶり。見事なバランス感覚だ。やはり、国家も正しい事は正しく、間違った事は同盟国に対しても間違っていると言える、それこそが美しい国なのだ。2016/11/16