内容説明
2011年3月11日、あらゆるものが津波に呑み込まれた陸前高田市。カメラを片手に灰色の街を歩く。母はどこにもいなかった。レンズは痛みの意味を求め、そこに生きる人々へと向かった。不条理に翻弄されながらも、人間が生きる意味とは何かを問う。岩手県出身フォトジャーナリスト佐藤慧が綴るフォトエッセー。
目次
「魂のかけら」
「未来への意思」
「あなたと共に」
著者等紹介
佐藤慧[サトウケイ]
1982年岩手県生まれ。studioAFTERMODE所属フォトジャーナリスト。国際開発の分野に係わり、アメリカ、アフリカ、中米などで経験を積む。世界を変えるのはシステムではなく人間の精神的な成長であると信じ、命の尊厳や愛を伝える手段としてのジャーナリズムや芸術活動に希望を託し活動を開始(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かりん
4
4:《両親が被災したフォトジャーナリストの写真集。》ECOM駿河台のミニ写真展の会場にて。『ファインダー越しの3.11』の著者の一人でもある佐藤さんは、お母様を津波で亡くしています。震災時とその後の町の様子のみならず、発見された遺留品、空に溶けていく煙、何とも言えない表情の父親の姿など…私的なシーンにシャッターが切られた写真もあります。写真と短い言葉の連なり。2013年ごろから、今まで目が向かなかったものに目がいくようになり、現地で咲く花の写真などが増えていきます。シロツメクサの写真は悔しいほどに美しい。2016/03/18