内容説明
吉田兼好の登場しない「徒然草」論って?言語表現そのものから「徒然草」を読み解く方法を提案。代表的伝本とされる烏丸本と正徹本を比較対照して、学生たちが読み解く「徒然草」の愉しさ。
目次
第1章 『徒然草』を「異文で読む」とは?(「春の行方も知らぬ」と「春の行方知らぬ」の比較から見えること)
第2章 語りと焦点化―その諸相(「そのかたも」と「そのかただに」;正徹本と烏丸本の異同とその解釈;「そらごと」を「かたる」ことについての語り;盛親僧都はどのように語られたのか?;『徒然草』第五十三段における「語り」―常縁本との比較から)
第3章 変容する語りの構造(“おぼつかなき”語り―第百四段に見る正徹本の言語的可能性;章段を超えるテクストの構造;演習を終えて)
著者等紹介
鈴木広光[スズキヒロミツ]
奈良女大学研究院人文科学系・教授。専門は言語史、翻訳論、印刷史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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