内容説明
人はなぜ、ここまで残虐になれるのか。加害者が告白するルワンダ・ジェノサイド。
目次
早朝
組織化
三つの丘
初めての時
仲間
見習い期間
集団精神
殺しを好む者、好まない者
決行の決断
畑仕事〔ほか〕
著者等紹介
ハッツフェルド,ジャン[ハッツフェルド,ジャン] [Hatzfeld,Jean]
1949年マダガスカル生まれのフランス人ジャーナリスト。ルワンダ3部作「LIFE LAID BARE」「MACHETE SEASON」「THE ANTELOPES STRATEGY」は8カ国で翻訳され、数々の賞を受賞している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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鯖
18
「ドイツでは自分たちの思想を純化させるためにジェノサイドが行われ、田舎のルワンダでは土を純化し、ゴキブリ農民のツチを駆除することを意味していた」って本文にあって、言っちゃなんだけど植民地を支配する白人の選民意識むきだしの文章だよなあとしみじみ呆れた。思想も土も変わらんがな。主語は「人」まででかくして。(著者はおふらんす人)3ヶ月で80万人を単純にナタで殺害したルワンダはアウシュビッツまで用意したドイツでのペースを越えているとのこと。加害者は白人に「仕向けられた」と繰り返し答えている。2022/03/06
色々甚平
6
ルワンダの民族大虐殺における加害者のインタビュー集。正気じゃなかった、命令されたから、殺人が終わった後神に祈った。と言った恐ろしいことに言葉が軽く感じられた。殺戮に対して前向き・後ろ向きはあれど大多数のフツ族が行った。中には、愚かなことはやめるんだと言う人もいたが、ツチ族と間違えて殺してしまう。その程度の民族愛国主義を掲げた殺戮だったのだ。だからといって、自分が、同じ状況に置かれて殺戮に参加しない選択ができるかは疑問。多くの人が事が起こる前に間違いだと止められる知識と行動力が必要なのだろう。2018/06/19
だろうぇい
6
「加害者」たちの証言は具体的だが、隣人を残虐に殺すにいたる「飛躍」の納得できる説明は最後まで見つからない。毎日決まった時間に出かけてマチェーテ(なた)の使用に習熟していく描写のある意味の「普通さ」と、虐殺を「仕事」と表現し奪った富を享受する「異様さ」の同居。周到に計画されていたとしても、ジェノサイドに至る最後の一歩は普通の人々が自ら進んで行ったのだということ、及び被害者のそれと比べ加害者の内省があまりにも軽く見えるということを突き付けられ、自分にも無縁な証言ではないのではないかと思うと読後感は大変重い。2017/06/20
テツ
6
ある日突然、前日まで仲良くしていた隣人が殺意を持って襲ってきたというルワンダ内戦。ツチ族とフツ族の対立だのルワンダで培われた歴史だの様々な原因はあるのだろうけれど、加害者も何故突然殺意に駆り立てられたのか本当のところは解らないんだろうな。人間は簡単に周囲の空気に、誰かが作り出した空気に流されてしまう。そうした流れに独りで立ち向かうのは不可能なんだけれど「人間は流されやすい。支配されやすい」とみんなが心に留めておきさえすれば何とか踏みとどまれることもあると思うんだ。2014/09/10
Meg Mog
5
恥ずかしながらルワンダ虐殺について初めて知った。唐突に非現実なことが始まるのが信じられないようで、意外とこんな風に始まるものなのかなぁ、と言った感じ🙄元々、フツの根底にツチへの差別や卑屈さが根付いてたからナチュラルに虐殺してたのかな😣加害者たちの言い分が言い訳ばっかの自己保身で反省もなくとにかく不快。ただ、自分もフツ族の男だったら同調圧力や現実への不満を正当な理由ありきでツチへとぶつけ参加してしまいそうだなぁ😔場所関係なくキッカケさえあればどこでも起こり得る話である。とりま7月5日に起爆しないことを祈る。2025/06/29
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