内容説明
『大どろぼうホッツェンプロッツ』『クラバート』で知られるプロイスラー「民話の語りべ」名手としての魅力を、作品から探る。
目次
1 ホッツェンプロッツをドイツ語で
2 妖怪の故郷を語る
3 ハリー・ポッターと核戦争のあいだで
4 「ぼくはクラバート」―民話と名のり
5 辺境・賤民・ソルブの伝説―『クラバート』の背景
6 ゲームとしての人生
7 語りべとして―おわりに
著者等紹介
吉田孝夫[ヨシダタカオ]
1968年、鳥取県生まれ。ドイツ文学者。京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。現在、奈良女子大学文学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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7petit
7
子どもの頃、祖母から聴いた昔話。父親と歩いて集めた各地方の伝承話。戦争に奪われた故郷。プロイスラーさんの作品の根底にあるのは失われた故郷への想い。その想いの深さを知ることが出来たが、知ってしまったからにはもう1度作品を読み直さなければいけないな、と。2015/03/14
ひつまぶし
2
『クラバート』から始めて、児童文学特有の物語の構造、伝説や民話を翻案するプロイスラーのスタイルに宿るコスモロジーに何かヒントがあるような気がして、立て続けに何冊か読んできた。とはいえ低年齢層向けの童話だと物足りなさもあるので、全貌をつかむ手がかりを求めて本書を手に取った。ホッツェンプロッツに込められた技法を原文から読み解くところも面白かったし、プロイスラーが翻案した作品の歴史的背景や象徴的世界に関する考察も参考になった。本書で触れられている児童文学の批評や伝説・昔話論、その他の作家や作品も読んでいきたい。2021/09/26
葉っぱかさかさ
2
子供の本の意味について、著者の、プロイスラーの、考えが書かれていた。持って生まれた生きる力を強めること。笑いの術を教え、想像力に力を与える。 自分が児童書を好んで読んできた理由がわかったような気がした。因みに、プロイスラーは息子が小学生の時に一番好きだった本で、いい出会いだったなぁと嬉しくなった。私も読み直してみようと思う。2013/07/27
虹の蛇
0
小さい頃に読んだ「クラバート」や「大泥棒ホッツェンプロッツ」をもっとよく知るために。2013/07/26