内容説明
TPPで薬剤費・医療材料費は高騰し、国民皆保険制度は空洞化する―韓国への視察を元に、国民医療に及ぼす影響を論じた本邦初の単行本。
目次
第1章 TPPと韓米FTA
第2章 日本と韓国はともに国民皆保険の国
第3章 韓国の医療現場と医療の自由化
第4章 人間の安全保障 寄与する国民皆保険と阻害するTPP
第5章 反TPP、反FTA運動の現状について
資料編(補論 韓米FTAは、国民の健康に対する災い;日韓の医療制度・財源・診療報酬制度の比較;韓国の医療制度に関する質問への回答)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
29
TPPで危惧されていることの1つは、薬剤費、医療材料費などが、商取引の論理に従って利益を追求することが当たり前という世界に変質し、高騰していく危険性があること(21頁)。吉中丈志院長「人間の安全保障 寄与する国民皆保険と阻害するTPP」(49頁~)は玉稿。TPPは米国と財界主導の新自由主義の強制。格差と貧困からの自由を求める運動があり、人間の安全保障という民主的規制で、国際連帯を進めることが重要(50頁)。全く同感した。 2014/08/27
Yu-Okd
1
身近すぎてその恩恵を理解されていない国民皆保険の危機が間近に迫っていることを、ほとんどの人が分かっていないことを痛感させられます。この本を通して、医療に市場主義を持ち込むのがいかに危険かを知ってほしいです。2013/03/27