内容説明
30年余り被爆者を診続け、原爆症認定集団訴訟の証言台に立った医師が、被爆者の実相と生き様を描き出す。また、「原爆症」の実態を浮き彫りにし、国の厳しい認定基準を告発する。そこには、医師であるがゆえに、誰にも言えなかった被爆者たちの心の奥底からの叫びが聞こえてくる。
目次
第1章 被爆者から引き継ぐ灯(あるがままを受け入れて;失った未来を取り戻す ほか)
第2章 『原爆症』とは(原爆放射線の被害は二〇二〇年が最大!;傷ついたDNA―急性放射線障害と晩発性(後)障害 ほか)
第3章 厳しく、あいまいな認定基準(安易な認定基準の変更;予算優先の救済制度 ほか)
第4章 ABCCの影(全てはここから始まった;ABCC原爆傷害調査委員会の創設 ほか)
第5章 原爆症認定集団訴訟の支援の中で(証言台に立つ;被爆者の身体と語る言葉にこそ真実がある ほか)
著者等紹介
郷地秀夫[ゴウチヒデオ]
1947年、広島県賀茂郡西条町(現東広島市)に生まれる。1973年、神戸大学医学部卒業後、精神科、神経内科、リハビリテーション科、一般内科、緩和医療等に携わりながら、被爆者医療に取り組んできた。2003年から神戸健康共和会・東神戸診療所所長。兵庫県保険医協会理事。「核戦争を防止する兵庫県医師の会」に創設時から参加し、現在、運営委員。東神戸診療所と東神戸病院の外来で、約250人の被爆者の主治医として日常健康管理を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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