内容説明
吉川英治の小説をはじめ、横山光輝の漫画、川本喜八郎の人形劇など、日本のあらゆるメディアで人気を誇る三国志。そのブームは江戸時代に始まり、講談から浮世絵、歌舞伎の題材となり、日本史にも少なからぬ影響を与え続けてきた。諸葛亮、曹操、関羽など、当時の男たちの生き様が1800年の時を超え、国境をも越えて語り継がれ、今なお愛され続けるのはいったい何故なのだろうか。彼らの熱い志、儚き夢、激動の時の流れに触れる。
目次
第1章 漢帝国が衰退し三国志の群雄が集う(序幕 三国時代はなぜ始まったのか;184年 黄巾の民、世を動かす ほか)
第2章 赤壁大戦を経て天下三分の時代へ(200年 江東の英雄、孫策死す;206年頃 諸葛孔明の登場 ほか)
第3章 三国時代到来、諸葛亮と司馬懿の対決へ(220年~229年 魏・蜀・呉が鼎立;234年 諸葛亮、五丈原に死す ほか)
第4章 晋の天下統一と「三国志」の完成(230年~252年 呉帝・孫権の動静と三国の動き;253年~262年 姜維の北伐続行、そして挫折 ほか)
終章 今も生きる三国志の舞台(劉備と諸葛亮が躍動した益州の地へ;中国大陸を旅し、英雄たちの足跡を訪ねる ほか)
著者等紹介
上永哲矢[ウエナガテツヤ]
1972年、神奈川県生まれ。歴史文筆家。日本史・三国志を中心とした歴史の記事、旅や温泉のルポを雑誌や書籍に寄稿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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竹園和明
27
前漢末期、黄巾の乱から三国鼎立時代、そして晋の建立までのおよそ100年強に渡る三国志の世界をポイントを捉えて時系列的かつコンパクトにまとめたのがこの作品です。結構細かい逸話やあまり知られていない事実が盛り込まれており、入門編としても再発見の資料としても楽しめる中身でした。三国志は人によって好みの時代が分かれるところですが、自分は各国が滅ぶに至る経緯、そこに生きた人々の奮闘ぶりに魅力を感じます。その部分も簡潔に記されていて面白かった。実際に現地に赴き撮影した写真なども興味深かった。自費で行ったのかしら。2018/12/18
GEO(ジオ)
6
比較的平易でわかりやすい三国志の概説書という印象。正直、大学の卒業論文用の参考文献などとして使うことができるかどうかというと微妙なところだけど、読み物として読む分には悪くない。 そこそこ面白かった。2018/02/04
Masahiro Tanaka
3
もう20年の付き合いになろうとする上永哲矢さんの著作。本書の最大の特長は、トラベルライターでもある上永さんが、実際に三国志の故地をことごとく訪問している、ということ。 本書中の写真も本人が現地を訪問して撮影、最終章は訪問した各地の様子がご本人の実感を以て記載されている。新書サイズでこういう本は知る限り岩波新書から一冊出ているだけで非常に貴重。 惜しむらくは、写真はカラーで見たかった!2018/03/08
どうしよう
3
出張中、三国志の話になりまして。とりあえず入門書的に読んでみました。なんで劉備がどことなく主人公的なのかなって思ってたら三国志の著者の出身地と関わりが有るようで…。なるほどねー。本篇?も読まねば。2018/02/15
うめうめ
1
三国志を正史をベースに均等に説明してくれる一冊。年代や国や人物に偏りがなく描かれているのが三国志ファンとしては新鮮。2021/01/31




