内容説明
右肩上がりの成長を前提とした経済から定常経済へ。その方法論のひとつとして考えられる「小商い」。新しい価値観に目覚めた人たちが先に動き出している。そうした人たちが数多く存在するのが京都だ。カウンターカルチャー発信地としての京都を取材する。
目次
「京都の小商いが面白い理由」
「梅湯」24時間365日浸かってみたマニアの本音
「株式会社めい」住人といっしょに進化するハイパー大家さん
「LADER」普通の生活を静かに追い続ける
「筒描屋toko.」絶望から救ってくれた意外なアドバイス
「ウケンムケン」現代美術の迷宮から突破口はある日開けた
「Editorial Haus MAGASINN」エディトリアル・ハウス・マガザン やりたいことは雑貨の先にあった
「3JO CRAFTSMAN SHOP」人との出会いで「好き」は見えてくる
「Study Room」スタバ行脚から生まれた動かせないコンセプト
「こっとう画餅洞」こっとうわひんどう 真っ白で始めて色をつける〔ほか〕
著者等紹介
鈴木雅矩[スズキガク]
ライター・暮らしの編集者。1986年静岡県浜松市生まれ。日本大学芸術学部を卒業後、自転車日本一周やユーラシア大陸輪行旅行に出かける。帰国後はライター・編集者として活動中。日本の暮らし方を再編集するウェブメディア「未来住まい方会議by YADOKARI」の元副編集長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Nobuko Hashimoto
27
本屋さんの旅行本コーナーの京都本のところでみつけた一冊。私自身は商いをするような能力も体力も意思も構想もないのだが、なぜかこういう本が好き。自分の関心や好きなことや使命感や曲げられない何かを大切にする生き方に惹かれるからだろうな。本書に出てくる人々は、とりわけ「好き」を大事にして仕事にしている。ものづくりや、人をつないだり育てたりする空間づくりへの熱意と行動力が圧倒的。軌道に乗るまで、あるいは乗ってからも、複数の仕事に携わる人も多いのも面白い。なお登場する人々は著者の知人が主で、開業数年の若手中心。2020/02/12
あにこ
1
事業の立ち上げ方は人それぞれで、パターンの研究としてかなり参考になった。目の付け所についても、そう。規模が小さいだけに移転や体制の移り変わりが速いのが特徴的だが、それも悪いことではあるまい。変化し続けるのがむしろ自然なのだ。■金儲けには興味がない、というスタンスも気楽でよいが、私自身は社会に創造した価値の指標としてお金をみているので、少ない金回りに満足するのはある種の怠慢と思ってしまう。むろん、現状維持に徹する時期も必要だろうけれど。2020/02/28
chi_k_m
0
サラリーマンをやっている身として多様な生き方をしている人の話はとても新鮮で面白い。 組織で働くことによりある程度の安定を得られる一方、場合によっては組織を優先しなければいけない場合もある。経営者は自由に物事を進められる一方、サラリーマンの比ではない責任を負う。 小商いの魅力を伝えながらも現実的な話も書かれている点は良い。サラリーマンも自営業も当然楽な仕事なんて無いと思うし、結局は自分がどこで踏ん張れる人間なのかを探すことなのかなと思った。 死ぬときに後悔しないよう、どんな方法で今を生き抜いていこうか。 2020/05/10