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出版社内容情報
透明・清浄な北国の冬を舞台に、人の子と狐の子との交歓を描く宮沢賢治の幻想童話。感性を澄ませた繊細な筆致で絵本化しました。 小学校中学年から一般むき
内容説明
雪がすっかり凍って大理石よりも堅くなり、空も冷たい滑らかな青い石の板で出来ているらしいのです。「堅雪かんこ、凍み雪しんこ。」四郎とかん子とは小さな雪沓をはいてキックキックキック、野原に出ました。いつもは歩けない黍の畑の中でも、すすきで一杯だった野原の上でも、すきな方へどこ迄でも行けるのです―透明・清浄な北国の冬を舞台に、人の子と狐の子との交歓を描く宮沢賢治の幻想童話。賢治に心酔する画家・たかしたかこが感性を澄ませた繊細な筆致で絵本化しました。
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- 評価
冬の使者本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
147
この絵本はいかにも日本の子供向きに書かれたような感じを与えます。ただ文章は宮沢賢治の原作そのままにしているので読み聞かせる場合には、解説するような感じも必要になるのではないかと思われました。雪の感じがいかにもふんわりとしているような感じでやさしさがある気がします。2016/01/31
かおりん
32
冬特集の本棚からみつける。言葉の繰り返しや歌が心地良い。囃し言葉に時代を感じた。雪の中、四郎とかん子は狐の子と知り合い、最初はだんごを断るが幻燈会に招待される。演目のイラストが怖いものに感じられ、人間をせめているように思った。ここで振る舞われた団子に口をつけ美味しくいただく。狐たちは人間の誤解をとき、共存したかったんだろうな。帰りは兄たちが迎えてくれる。イラストが素敵だった。2022/12/11
てんちゃん
32
静かで、美しくて、かわいらしい絵と、宮沢賢治の「キック、キック、トン、トン…」の心地よいリズムが印象に残る一冊。宮沢賢治の短い話の絵本は分かりやすくて良いな。長い作品は、分かりづらくて…(ー_ー;) 雪の積もった日にぴったりの一冊。 宮沢賢治十番勝負第七番。2017/01/20
くまさん
31
宮沢賢治記念館の特設展示で読んだ。風はまだまだ冷たい浅春の三月だけれど、都会とはまったく別の時空に連れ出されたような新鮮な風光を身に浴びた。冊子「「銀河鉄道」の原稿のすべて」もじっくり読んだ(というより眺めた)。重層的な成り立ちを追う難しさ、手書きにあらわれる人柄というものを感じた。「生徒諸君に寄せる」より(改行略)。「新たな詩人よ 雲から光から嵐から 透明なエネルギーを得て 人と地球によるべき形を暗示せよ〔・・・〕ああ諸君はいま この颯爽たる諸君の未来圏から吹いて来る 透明な風を感じないのか」。感服。2019/03/30
森の三時
29
白銀の世界に子狐たちとこどもたちの交流。幻燈会の招待状を貰える資格があるのは11歳以下のこどもというところが、動物と同じ目線で話ができるギリギリの年なのかもと妙に納得しました。嘘をつかない、そねまない、そんな大人になり損ねた私。2025/02/09