内容説明
マルクス、フロイト、そしてハイデガーの影響を受け、フランクフルト学派第一世代の社会哲学者として活躍したマルクーゼ。管理社会に「偉大な拒絶」を突きつけた学生運動の理論的源泉のひとりでもあった、その知られざる多彩な思考の遍歴を労働論とテクノロジー論から辿り直し、現代における社会批判の可能性を提示する。
目次
序章 「労働と遊びの一致」から照らし出す「オートメーション・ユートピア」
第一章 マルクーゼ評伝
第二章 生命活動としての労働―一九三〇年代初頭の労働論・一
第三章 「労働と遊び」論のはじまり―一九三〇年代初頭の労働論・二
第四章 フランクフルト学派第一世代の問題関心―一九三〇年代の「労働と文化」をめぐって
第五章 「文化」の生産力化―一九三〇年代後半の労働国家批判
第六章 テクノロジー化する労働―一九四〇年代初頭の技術論
第七章 ナチス・ドイツにおける労働者の統制―一九四〇年代中盤のドイツ・テクノクラシー体制批判
第八章 生産性批判の展開と「触媒」としてのオートメーション・テクノロジー―一九五〇年代以降のオートメーション論
終章 今後の課題と展望
著者等紹介
馬渡玲欧[マワタリレオ]
1989年広島県生まれ。東京外国語大学外国語学部卒業。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(社会学)。日本学術振興会特別研究員PDを経て、名古屋市立大学大学院人間文化研究科専任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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