内容説明
国際秩序の構想、歴史とは何か、ソヴィエト史研究―。国際政治学者として、歴史家として、多彩な顔をもつE・H・カーの思考の全体像を明らかにする。
目次
“カーの世界”から今日の世界を考える
第1部 カーとその時代(カール・マンハイムの時代診断における思考法―動的思考、最大限の視野の拡大、歴史生成への参加;『危機の二十年』における一つの謎―ラインホールド・ニーバーが与えた影響;経済人の終わり―ピーター・ドラッカーとカー)
第2部 カーの思考(もうひとつの「三人のカー」―国際関係理論におけるE・H・カー論の系譜;ソ連史研究者としてのE・H・カー;カーの歴史―現実をつかむ手立ての模索)
第3部 カーと現代(E・H・カーの誘い―「リベラルな国際秩序」を超えた世界秩序へ;人道危機の二十年によみがえるE・H・カー―現実主義的側面への肯定的再評価;新しい社会と新しい社会科学者―E・H・カーと戦後日本の社会科学 一九四五‐一九五七)