内容説明
現代の政治哲学・社会哲学に多大なる影響を与え続けるハーバーマス。その多様かつ壮大な理論体系の全貌を明らかにする。
目次
第1部 ハーバーマスの思想(討議の政治理論;公共圏と民主主義;法理論と憲法;労働と福祉国家;宗教 ほか)
第2部 ハーバーマスと対抗思想(ハーバーマスとリベラリズム;ハーバーマスと社会システム理論;ハーバーマスとポストモダン;ハーバーマスとフェミニズム―空間と主体の間で;ハーバーマスと「政治的なもの」 ほか)
著者等紹介
田村哲樹[タムラテツキ]
1970年生まれ。名古屋大学大学院法学研究科博士後期課程修了。名古屋大学大学院法学研究科教授。政治学・政治理論
加藤哲理[カトウテツリ]
1981年生まれ、京都大学大学院法学研究科博士課程修了。名古屋大学大学院法学研究科准教授。政治思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Daimon
1
図式の整理…フォーマルで責任を伴う法制定ののシステム、あるいは行政などのフォーマルな政治システムの回路と、インフォーマルで責任を伴わない法制定の外に置かれた自由なコミュニケーションをともなう公共圏。公共圏では対処すべき問題が一時的(居酒屋、路上)イベント的(協会、集会)であれ共有、枠付される。カフェやサロンで公共の事柄が議論されていた19世紀までとは異なって、マスメディアや福祉国家の誕生あるいは市民の国家への依存が高まる19世紀中頃にはこの市民的公共圏が成り立たなくなっていく…中期、後期の違いもあるが…。2021/07/18