内容説明
大恐慌を契機として打ち出された国家的諸施策は、日本の農村社会に固有のセイフティネットをどのように再編したのか。農村社会の紐帯に依存した独特な福祉国家システムの形成過程を、実証的に明らかにする。
目次
第1部 労働―森林資源から救済型公共土木事業へ(長野県下伊那郡座光寺村における村有林施業案反対運動と救農土木事業;長野県下伊那郡上郷村における村有林開放と救農土木事業;長野県下伊那郡清内路村における就労機会の創出と満洲移民)
第2部 金融―インフォーマル金融から産業組合へ(明治期日本の地主制とインターリンケージ取引―長野県小県郡和村の深井家を事例として;1930年代日本農村における無尽講と農村負債整理事業―長野県下伊那郡座光寺村を事例として;戦前日本農村における非制度金融組織の崩壊過程―座光寺村の匿名金融組合実功社を事例として ほか)
第3部 土地―小作料減免慣行から農業保険へ(戦間期日本農村部における農業保険の受容過程―埼玉県農家保険組合を事例として;農業災害補償制度の成立と展開)
大恐慌下におけるセイフティネットの再編と展望
著者等紹介
小島庸平[コジマヨウヘイ]
1982年生まれ。2011年、東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程修了。博士(農学)。東京農業大学国際食料情報学部助教を経て、東京大学大学院経済学研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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