出版社内容情報
病や障害などにより支援が必要な社会的弱者となっても安心して生活できる支援とはどのようにあるべきか。フィールドワークから考える
第1章 〈生きづらさ〉とは何か
第1節 本書の目的と意義
1)現代社会における要支援者と専門職の支援関係再考の重要性
2)本書の構成
第2節 私が感じた〈生きづらさ〉
1)子ども時代に感じた「違和感」:父との関係
2)心理療法・行動療法への「違和感」:心身症で苦しむ患者や家族との関わり
3)看護学生時代に感じた「違和感」:もう一人の〈私〉と向き合う困難さ
4)看護専門職として感じた「違和感」:生活の中の「治療」の意味と専門職の権力性
5)研究者として感じた「違和感」:研究者の「客観的アプローチ」の欺瞞性
6)現代社会における〈生きづらさ〉とは何か
第2章 グループ・ダイナミックス的アプローチと理論的基盤
第1節 グループ・ダイナミックス的アプローチ
1)既存の科学的アプローチから起こる問題点
2)グループ・ダイナミックス的アプローチの特徴とその可能性
3)医療・看護・介護におけるグループ・ダイナミックス的アプローチの必要性
第2節 理論的基盤:規範理論
1)原初的な規範形成プロセス
2)規範の発達
3)規範の発達の行方
第3章 住民が感じる〈生きづらさ〉に寄り添う〈支援〉
第1節 社会的背景と問題意識
1)現代医療の「2つの問題点」
2)〈生-権力〉の生成と強化
第2節 フィールドワーク:「ともに生きる・京都」,「でこその医療」
1)事例研究の経緯と方法
2)西陣における地域医療の歴史
3)「ともに生きる・京都」の活動
4)「でこその医療」
5)2つの活動のエピソード
第3節 理論的分析
1)規範理論による〈生-権力〉概念の再定位
2)2人の医師の活動
第4章 母親が感じる〈生きづらさ〉に寄り添う〈支援〉
第1節 社会的背景と問題意識
1)子育て支援の現実
2)歴史的経緯
3)育児支援の3つの問題点
4)新しい子育て支援
第2節 フィールドワーク:「福井母乳育児相談室」
1)著者とフィールドの関係
2)経緯と特徴
第3節 活動のエピソード:来室から「自立断乳式」まで
第4節 理論的分析
1)回帰のフェーズを通じた原初的なフェーズへ
2)乳房マッサージを基本とした3項関係的な身体の溶け合いを通じた原初的な規範形成
3)規範(意味)を「待合室」の母親たちに一方的に伝達することによる規範(意味)の強化・安定
付録 観察ノート
第5章 要介護者・家族介護者が感じる〈生きづらさ〉に寄り添う〈支援〉
第1節 社会的背景と問題意識
1)「介護=負担」という等式
2)認知症介護支援における問題点
3)近代化による問題点を克服する先駆的な認知症介護支援実践
第2節 フィールドワーク:「認知症居宅介護研究所」
1)フィールドワーク
2)NPO法人「認知症居宅介護研究所」
3)活動の内容
第3節 活動のエピソード
1)24年間の在宅での介護生活
2)研究会での「語り」のエピソード
第4節 理論的分析
1)回帰のフェーズを通じた原初的なフェーズへ
2)認知症介護支援の新たな関係の生成:「共育」的関係
3)「認知症を生きる人」の〈意味世界〉
4)〈プロレタリアートな身体を生きる〉:〈よく生きる〉ことを目指す
5)認知症介護支援者に求められる〈専門性〉:「溶け合う」関係を楽しむ姿勢
第6章 〈生きづらさ〉に寄り添う〈支援〉とは
第1節 本書の成果
1)3つのフィールドワークの総括
2)〈生きづらさ〉に寄り添う〈支援〉の特徴
3)健康・子育て・介護における〈生きづらさ〉再考
第2節 新しい〈支援〉に向けて
1)アクションリサーチの促進
2)近代的人間観の見直し
3)豊かな関係性を生み出す〈歓待〉の概念化
鮫島 輝美[サメシマ テルミ]
著・文・その他
目次
第1章 “生きづらさ”とは何か
第2章 グループ・ダイナミックス的アプローチと理論的基盤
第3章 住民が感じる“生きづらさ”に寄り添う“支援”
第4章 母親が感じる“生きづらさ”に寄り添う“支援”
第5章 要介護者・家族介護者が感じる“生きづらさ”に寄り添う“支援”
第6章 “生きづらさ”に寄り添う“支援”とは
著者等紹介
鮫島輝美[サメシマテルミ]
1968年生まれ。京都光華女子大学健康科学部看護学科講師。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程単位取得退学。博士(人間・環境学)。奈良女子大学家政学部(現:生活環境学部)卒業後、OLを経て、兵庫県立看護大学(現:兵庫県立大学)看護学部を卒業、兵庫県立病院内科勤務、兵庫県立看護大学看護学部助手、京都大学大学院人間・環境学研究科(修士・博士課程)を修了。2011年より、現職。専門は、理論看護学、グループダイナミックス(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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