出版社内容情報
日本で盛り上がりを見せる質的心理学だが、近隣のアジアではどのような研究が行われているのか。クロストークを交えて紹介。
◆日本
第1章 障害者のきょうだいによる語り合いの様相
1. 質的研究と私
2. 自己エスノグラフィ
3. 語り合い
4. 語り合いの様相
5. おわりに
コメント:共感し理解するプロセスに伴う治癒とエンパワメント
第2章 障害の経験に関する質的研究を振り返って
1. 質的研究と私
2. 中途肢体障害者のライフストーリー
3. 障害者施策に関する住民会議のアクションリサーチ
4. 東アジア地域における障害者の質的研究
5. まとめ―東アジアの質的研究の緩やかなネットワーク―
コメント:アクションリサーチからみる援助の在り方
第3章 対話的ビジュアルエスノグラフィーへの模索―暗黙的な保育者の専門性を描くことは可能か―
1. 質的研究と私
2. 1歳児保育の難しさとは何か
3. 難しさを越えようとする知のありようを捉えたい
4. 対話的ビジュアルエスノグラフィーの実際
5. おわりに
コメント:動的な実践知・専門知の言語描写への挑戦
◆韓国
第4章 語り合いからみる原風景の個人性と共同性
1. 質的研究と私
2. 知り合いと語り合う調査,話の流れを輪切りにしない分析がしたい
3. 語る当事者のリアリティをどう伝えるか(個人語りから)
4. 原風景の「共同性」は何を基準にどう説明できるのか(共同語りから)
5. おわりに
コメント:具体性と抽象性を往還できるモデル
第5章 教室討論における学生感情の役割
1. 質的研究と私
2. 教室でのディベートにおける学生の経験の促進剤としての感情
3. 韓国に戻ってきてから受けた数多くの質問
コメント:質的研究の楽しさと学び
第6章 癌患者をめぐる家族共同体の語り
1. 質的研究と私
2. 癌患者と家族の保護者に関する研究
3. おわりに
コメント:「多様な経験へのニュアンス」をどう描くか
◆中国
第7章 物語と時間と感動―スキーマ・アプローチからみる物語の時間構造―
1. 質的研究と私
2. 物語と心理学研究
3. ある物語との出会い
4. 物語の分析
5. 時間から何を読み取るか
6. おわりに
コメント:作文という小さな物語の可能性
第8章 「地主の死」と口述史研究
1. 質的研究と私
2. 「地主の死」と口述史研究の実践
3. 口述史研究と質的研究方法の考察
コメント:中国における口述史研究から浮かぶいくつかの疑問
第9章 中国における質的研究の倫理課題
1. 質的研究と私
2. 中国における質的研究の倫理問題
3. 涼子さんを傷つけた
4. 理解の難しさ
5. おわりに
コメント:方法論としての調査倫理
◆台湾
第10章 「世直し」と「立て直し」の視点からみる台湾の寄付文化
1. 質的研究と私
2. 台湾の寄付事情
3. 台湾の社会における寄付の理由と課題
4. 寄付行為の社会的意義と東日本大震災
5. 「世直し」志向と「立て直し」志向
コメント:文化としての寄付行為
第11章 国際結婚家庭における母親の母語継承に関する価値観―台湾でのインタビューからみえてきた現状と課題―
1. 質的研究と私
2. 多言語多文化の台湾社会と国際結婚
3. 抑圧された「外籍」の配偶者の母語
4. 母親自身が考える母語継承―43名のインタビューから―
5. 子どもはどのように捉えているのか
6. 母語継承における課題
コメント:他国の先駆けとなる多角的な研究
第12章 ロックの飛地からヘテロトピアへ―台北と北京のレジェンドライブハウス―
1. 質的研究と私
2. 東アジアの都市におけるレジェンドのライブハウス
3. 結論―ロックの「飛地」から都市の「ヘテロトピア」へ―
コメント:心の「宿場」としてのライブハウス
◆ベトナム
第13章 ハロン湾筏ハウス住民移転プロジェクトと漁民の文化および生計の変化
1. 質的研究と私
2. ハロン湾筏ハウス住民移転
3. 生計と文化実践アイデンティティの変化
4. おわりに
コメント:社会的不平等を浮き彫りにする質的研究への期待
第14章 ベトナムの日本企業の人材の現地化の現状と課題―人的資源管理システムの国際移転の視点から―
1. 質的研究と私
2. 日本企業の海外子会社における人材の現地化
3. 問題と目的
4. 方 法
5. 結果と考察
6. 結 論
コメント:経営の「三種の神器」の栄光と崩壊
第15章 未成年の家族における無関心―質的調査による発見―
1. 質的研究と私
2. 未成年の子どもの家族に対する義務
3. 家族における無関心
4. 研究方法
5. 調査結果
6. 質的調査による主な発見
コメント:変化する社会の中のベトナムの家族の様子
座談会
伊藤 哲司[イトウ テツジ]
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呉 宣児[オ ソンア]
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沖潮 満里子[オキシオ マリコ]
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