社会関係資本の地域分析

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 166p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784779512414
  • Cコード C3025

出版社内容情報

社会関係資本をどのように測り,分析するのか。社会関係資本が豊かな場所はどこか。なぜ社会関係資本が,地域の特性とみなしうるのか

第I部 研究方法:どのように測り,分析するのか



第1章 社会関係資本論の研究動向  埴淵知哉



1 「説話」から「科学」へ

2 書誌データからみた社会関係資本論の普及

3 日本における研究の動向

4 定義の多義性と本書の立場



第2章 測定をめぐる諸問題 埴淵知哉



1 社会関係資本を測定することの意味  

2 概念の細分化とその整合性  

3 社会構造を踏まえた下位概念の枠組み 

4 概念の現地化:「縁」という考え方  

5 グローバル/ローカルという区分 

6 測定の枠組み 



第3章 地域変数の諸問題 埴淵知哉・中谷友樹・近藤克則



1 地域の操作化

2 集計単位をめぐる難問

3 社会関係資本論における地域単位

4 地域単位をどのように決めるのか

5 不確かな地理的文脈の問題



補論1 社会関係と主観的健康の関連性地図 中谷友樹



1 はじめに

2 資料と方法

3 結  果

4 考  察

5 結  論



第II部 規定要因:社会関係資本が豊かな場所はどこか



第4章 地理的・歴史的な規定要因 埴淵知哉



1 社会関係資本の地域差が意味するもの

2 都市化・郊外化:パットナムによる郊外スプロール批判

3 ウォーカビリティ:近隣の建造環境

4 開発時期:コミュニティの「年齢」

5 歴史的経緯:場所に固有の文脈

6 日本における文脈的規定要因の解明に向けて



第5章 都市化・郊外化 埴淵知哉・中谷友樹



1 日米の主要データにみる都市化との関連

2 文脈的要因の分析方法

3 都市化・郊外化の指標

4 データ:JGSS(日本版総合的社会調査)

5 都市化・郊外化による社会関係資本の地域差

6 重要な文脈は「都市?農村」か,それとも「都心?郊外」か



第6章 ウォーカビリティ 埴淵知哉・中谷友樹・近藤克則



1 ウォーカビリティの測定

2 データ

3 ウォーカビリティによる社会関係資本の地域差

4 日本におけるウォーカビリティをどう考えるか



第7章 開発時期と歴史的経緯 埴淵知哉・中谷友樹・村田陽平・近藤克則



1 「地域の年齢」の測り方

2 開発時期による社会関係資本の違い

3 「例外」から探る社会関係資本の起源

4 文脈的規定要因の相互の関係



補論2 近隣の社会的断片化指標 埴淵知哉・中谷友樹



1 社会関係資本指標の課題

2 社会的断片化指標

3 文脈的規定要因としての指標の妥当性

4 地域レベルの社会関係資本指標との代替可能性



第III部 理論的構図:なぜ地域の特性とみなしうるのか



第8章 「曖昧さ」と「数量化」の構図 埴淵知哉・村田陽平



1 社会関係資本論の二つの特徴

2 数量化の進展とその認識論的前提

3 数量化の困難さに起因する客観主義の深化

4 曖昧さをめぐる論争

5 曖昧さと数量化による客観主義の構図

6 現象学的思考による〈主観?客観〉の検討

7 理論的構図の再構築

8 関心を出発点に置く理論に向けて



第9章 地域への問題関心:都市と無縁社会 埴淵知哉



1 社会関係と地域をめぐる問題関心のあり方

2 「無縁社会論」の展開

3 無縁社会論と社会関係資本論の接点

4 都市の問題としての無縁社会論/社会関係資本論

5 「自然化」の問題

6 地域への問題関心に根差した研究へ



補論3 保健師の地域診断と社会関係資本 村田陽平



1 地域・健康・社会関係資本を結ぶ職業

2 保健師による地域診断とは

3 地域診断と社会関係資本

4 空間的視点の必要性:点―線―面をつなげる地域診断

5 質的情報の再評価:保健師の主観性/身体性の回復



コラム? 健康と社会関係資本(近藤克則)

コラム? ポートランド(埴淵知哉)

コラム? JAGES(Japan Gerontological Evaluation Study:日本老年学的評価研究)プロジェクト(近藤克則)





埴淵 知哉[ハニブチ トモヤ]
編集

目次

第1部 研究方法:どのように測り、分析するのか(社会関係資本論の研究動向;測定をめぐる諸問題;地域変数の諸問題;社会関係と主観的健康の関連性地図)
第2部 規定要因:社会関係資本が豊かな場所はどこか(地理的・歴史的な規定要因;都市化・郊外化;ウォーカビリティ;開発時期と歴史的経緯;近隣の社会的断片化指標)
第3部 理論的構図:なぜ地域の特性とみなしうるのか(「曖昧さ」と「数量化」の構図;地域への問題関心:都市と無縁社会;保健師の地域診断と社会関係資本)

著者等紹介

埴淵知哉[ハニブチトモヤ]
中京大学国際教養学部教授。『NGO・NPOの地理学』(単著)、明石書店、2011年。第10回日本NPO学会林雄二郎賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

MK

0
久々に社会関係資本の書籍を。 データが出てくるたびに読み方をもっとちゃんと学んでおけばよかったと後悔。 計測しづらい指標であることは確かだけど、自分が知りたいことはどのような形で調査すれば分かるんだろう。 研究したくなってきた。2019/07/04

Atsumi_SAKURADA

0
社会関係資本の研究の動向、論点、本邦での地理学的な検討を紹介した本です。特に、主な論点を整理している和書として参照しやすいです。2019/07/04

しかっくま

0
時代の反動か、人とつながりやコミュニティが再考され、人口減の中で地域を支え活かす試みも目にする。学術界では、社会関係資本として、それらの関係性や社会の特性を定義・測定・評価する分野がある。それくらいの知識だけだったので、ハードルを上げて学術書を手に取った。社会関係資本についての歴史・分析手法・実際の研究成果とともに、まだまだ議論がある側面も紹介され、社会関係資本について語れることが増えた。ただ、本書の中心テーマである、社会関係資本と地域というのは、明快な結論が出ているわけでなく試行錯誤の最中のようだ。2019/04/16

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/12646402
  • ご注意事項