出版社内容情報
温泉科学で地球を探る! 温泉の水位変化で地殻診断? 「湯の花」から太古の海の環境が判明?……。最新研究が詰まった入門書!
第1章 火山に湧く冷たい炭酸泉
(大沢信二)
1 はじめに
2 炭酸成分の起源を知る方法
3 火山の地下水研究への応用
4 冷炭酸泉の分布と火山体の年齢
5 姫島火山の鉱泉の研究
6 姫島火山の明神山の噴出年代
7 おわりに
第2章 沈み込むプレートに辿り着く温泉
(網田和宏)
1 はじめに
2 温泉の起源を追って
3 中央構造線沿いの塩水を狙って
4 温泉「水」の起源を探る
5 溶存成分が示すもの
6 付随ガスの起源を読み解く
7 温泉起源流体の正体は?
8 温泉の湧出母岩に関する考察
9 深部起源流体と中央構造線との関係
10 おわりに
第3章 高アルカリ性温泉水〈丹沢山地〉
(板寺一洋)
1 はじめに
2 丹沢山地と周辺の温泉・鉱泉地の概要
3 高アルカリの特徴はどうして生まれたか?
4 温度はどうやって獲得したのか?
5 まとめ
第4章 太古の海洋環境の手がかりになる湯の花
(?島千鶴)
1 はじめに
2 トラバーチンの沈殿機構
3 入之波温泉の研究例
4 太古の海洋環境の復元を目指して
5 おわりに
第5章 温泉の水位変化で地殻を診断
(柴田智郎)
1 はじめに
2 地下水の動き
3 地下水位の変動
4 温泉の水位観測
5 地震に伴う水位変化
6 潮汐と気圧に伴う水位変化
7 歪に対する応答係数
8 おわりに
第6章 日本のジオプレッシャー型温泉
――新潟県松之山温泉の例――
(渡部直喜)
1 はじめに
2 新潟県の石油・天然ガス付随水
3 松之山温泉の特徴
4 まとめ
5 おわりに
第7章 有馬温泉の「金泉」
――金泉はどのようにして地表に現われるか――
(西村 進)
1 まえがき
2 有馬温泉の概要
3 金泉はどのようにして湧出しているのか
4 地球岩圏内の「水」流体の働き
――まとめに代えて――
日本温泉科学会[ニホンオンセンカガクカイ]
広い分野の温泉に係わる研究をしている研究者や専門家の集団。
大沢 信二[オオサワ シンジ]
1960年生まれ。1992年東京大学大学院理学系研究科化学専攻博士課程修了(理学博士)。京都大学大学院理学研究科附属地球熱学研究施設助教授。深層熱水・地層水の地球科学的研究,地下水・降水の同位体地球化学的研究,地熱系の環境化学的研究。〔主な著書〕『温泉科学の最前線』〔共著〕ナカニシヤ出版(2004年),"Escape of volcanic gas into shallow groundwater systems at Unzen volcano (Japan): evidence from chemical and stable carbon isotope compositions of dissolved inorganic carbon" Limnology, No. 3 (2002年), "Isotopic characteristics of typhonic rainwater: Typhoons No.13, 1993 and No.6, 1996 struck Japan" Limnology, No. 1 (2000年),他。
西村 進[ニシムラ ススム]
内容説明
温泉科学で地球を探る!火山と冷たい炭酸泉の関係とは?温泉の水位変化で地殻を診断?「湯の花」から太古の海の環境が分かる?有馬の「金泉」が湧くメカニズムとは?…最新の研究成果が詰まった温泉科学入門。
目次
第1章 火山に湧く冷たい炭酸泉
第2章 沈み込むプレートに辿り着く温泉
第3章 高アルカリ性温泉水“丹沢山地”
第4章 太古の海洋環境の手がかりになる湯の花
第5章 温泉の水位変化で地殻を診断
第6章 日本のジオプレッシャー型温泉―新潟県松之山温泉の例
第7章 有馬温泉の「金泉」―金泉はどのようにして地表に現われるか
著者等紹介
大沢信二[オオサワシンジ]
1960年生まれ。東京大学大学院理学系研究科化学専攻博士課程修了。博士(理学)。京都大学大学院理学研究科附属地球熱学研究施設教授(地熱流体論研究分野)で、研究施設長を兼務。専門は地球流体化学で、地球の水を物質科学的に調べ、その起源や成分の由来などを探る研究をしている
西村進[ニシムラススム]
1932年生まれ。京都大学大学院理学研究科博士課程修了。京都大学名誉教授。特定非営利活動法人シンクタンク京都自然史研究所理事長。温泉の探査、放射性廃棄物地層処分の研究、二酸化炭素の炭層貯留の安定性の研究など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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