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近代日本政治思想史―荻生徂徠から網野善彦まで

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  • サイズ A5判/ページ数 399,/高さ 21cm
  • 商品コード 9784779508783
  • NDC分類 311.21
  • Cコード C1031

内容説明

江戸期国学者たちから1970年代の議論まで、最前線の思想史の実践。近現代の日本を舞台に繰り広げられたさまざまな論争。

目次

言語―賀茂真淵と本居宣長
制度―荻生徂徠と會澤正志齋
“風景”―松平定信と江戸時代後期の織りなす陰翳
宗教―平田篤胤の弟子とライバルたち
道と教―阪谷素と中村正直
政体―加藤弘之と福澤諭吉
美―高山樗牛と姉崎嘲風
軍事―河野敏鎌と津田真道
正閏―南北朝正閏論争
憲法―美濃部達吉と上杉慎吉
イロニー―保田與重郎と伊東静雄
二十世紀―林達夫と丸山眞男
デモクラシー―藤田省三と清水幾太郎
歴史―山本七平と網野善彦

著者等紹介

河野有理[コウノユウリ]
1979年生まれ。東京大学法学部卒業、同大学院法学政治学研究科博士後期課程修了。博士(法学)。日本政治思想史専攻。現在、首都大学東京法学系准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

22
若手研究者らによる論文集。三ツ松誠先生:ルソーの市民宗教とは、良き市民から逸脱しない限り、個人の 信仰の自由を容認(97頁)。河野有理先生:『福翁百話』で自然科学の進歩を全面的に信じていた(145頁)。 長尾宗典先生:西周は「百学連環」1870年に西洋美学を佳趣論と紹介(158頁)。高山樗牛は道徳を美術の 上に置いた(164頁)。美的生活は楠木正成の忠義(167頁)。巻末に討議と参考文献リストが挙示されている。 2015/03/01

Haruka Fukuhara

8
巻末の鼎談が少し面白かった。でも35歳はまだまだ学者として中堅じゃないと思う。みんな自負が強くてびっくりした2017/06/14

politics

4
通史的な政治思想史ではなく、「政体」というキーワードをもとに福澤諭吉と加藤弘之の二人を論じるといった感じにユニークな方法でまとめられた論文集。江戸期の思想家から丸山眞男や網野善彦まで幅広く取り上げられており非常に勉強になる。また執筆者のなかで韓国や中国出身者の先生方の論考はどれも興味深く面白いものが多く、今後の活躍が期待される。2020/08/28

ぽん教授(非実在系)

2
(恐らく東大の渡辺・苅部両先生周辺の)日本政治思想周辺の若手研究者たちの論文集であるが、それぞれの論文ではあるキーワードをテーマにした二人の知識人を挙げて対比的に論じている。時代的には江戸時代~現代と幅広いが、日本思想の多様性と共に時代変わらぬ要素も感じさせてくれる。最後の対談ではポスコロ・カルスタ・ポストモダンの洗礼を受けて左傾化もする風潮が東大でも猛威を振るっていたことや、今のメディア知識人が原発をきっかけに急速に左傾化していったことへの違和感が語られておりそういう意味でも興味深い。2015/05/22

トックン

1
大澤聡の日本浪漫派についての論文だけ読んだ。大澤は橋川文三の日本浪漫派批判を批判し、浪漫派内部の二人の固有名の差異について言及する。二人とは、保田与重郎と伊東静雄のこと。二人の差異は、日本における近代化後の<故郷>に対する態度に決定的に現れる。近代化により故郷の固有性は破壊された=二人の共通認識。故郷回帰について、パラフレーズすると「保田=不可能性ゆえに可能性を演じる」、「伊藤=不可能性ゆえに不可能に留まる」。伊藤の思想は、書き直しを繰り返す大江健三郎やアドルノにつながるものだと感じた。2017/03/12

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