内容説明
本書は、欧州統合の経験を踏まえたアジアの地域統合の方向付け(第1部)、中国における国家と市民社会の新しい動態的関係(第2部)、日本のアジア主義的思考の陥穽(第3部)、という三つのテーマを掘り下げることによって、市場統合とも、国家連合とも、アジア共同体とも異なる、ソーシャル・アジアの可能性を展望しようとするものである(「序文」より)。
目次
複合災害の経験から見るアジア地域の社会認識―現代社会の課題と経済学の射程
第1部 EUの経験とソーシャル・アジアの課題(EU関係から見たソーシャル・アジアの課題―アイルランドの場合;アジアにおける地域統合のポストナショナルな地平―アジアの歴史認識の構築とアジア市民社会の胎動)
第2部 中国の市民社会論―市民社会と国家の対立と調整(中国のインターネットと市民社会;四川大震災における中国NGOの取り組み)
第3部 アジア主義を超えて―日本の植民地官僚と国際法学者のアジア認識(植民地官僚のアジア認識;「アジア・モンロー主義」の誘惑)
著者等紹介
竹内常善[タケウチツネヨシ]
1945年生。東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。大阪産業大学経済学部教授。大阪産業大学アジア共同体研究センター長。地域経済論専攻
斉藤日出治[サイトウヒデハル]
1945年生。名古屋大学大学院経済学研究科博士課程修了。大阪産業大学経済学部教授。社会経済学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。