内容説明
人はこんなところでも生きてゆけるのか。美しくも厳酷な環境で暮らす人びとに寄りそったフィールドワーク40年の集大成。秩父宮記念山岳賞受賞。
目次
序章 雲の上の世界へ―高地民族との出会い
1 雲の上で暮らす―インカの末裔たちとともに(マルカパタの一年;ある牧童の死 ほか)
2 アンデスに生きる(リャマとの旅から;ティティカカ湖のあし舟 ほか)
3 ヒマラヤへ(はじめてのヒマラヤ;ヌンブール峰の麓にて―ネパール・ヒマラヤの調査から)
4 ヒマラヤに生きる(多様な植生と変貌する環境;シェルパの人たちの暮らし―生業を中心に ほか)
終章 チベットへ、そしてエチオピア高地へ―高地民族の世界
著者等紹介
山本紀夫[ヤマモトノリオ]
1943年大阪市生まれ。京都大学卒、同大学院博士課程修了。農学博士。民族学、民族植物学、山岳人類学専攻。国立民族学博物館教授、総合研究大学院大学併任教授。1968年以来、アンデス、アマゾン、ヒマラヤ、チベット、アルプス、アフリカ高地などで約50回、通算で10年間現地に滞在し、主として先住民による環境利用の方法の調査に従事。京都大学学士山岳会(AACK)会員、日本山岳会(JAC)会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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翔亀
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【始原へ52】「高地文明」を提唱した山好きの著者は、考古学ではなく、農業起源論と民族学を武器としたフィールド調査によりアンデス文明に切り込んできた。考古学は発掘されたモノという証拠により緻密に論証する態度はいいとしても、文字のない時代を対象とすると隔靴掻痒の面を拭えない。それに対して植物学と民族学によるフィールド調査は現在のありさまが本当に数千年前を再現しているのか確証はもてないが、読み物としては滅法面白い。本書はアンデスとネパール・ヒラヤマ(チベットではない)のフィールド調査を巡るエッセイ集。↓2021/09/14




