内容説明
誰にでも分かるようにウィトゲンシュタイン哲学の真髄に肉迫した気鋭の哲学者による待望の新ウィトゲンシュタイン論。
目次
第1章 プレ『論考』期のウィトゲンシュタイン
第2章 像と形式
第3章 言語LWの構文論
第4章 言語LWの意味論
第5章 『論考』の世界観
第6章 論理形式について
第7章 『論考』の体系の崩壊
著者等紹介
野村恭史[ノムラヤスシ]
1968年茨城県に生まれる。2000年北海道大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。現在、北海道大学文学部助手(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Z
9
良書。というかかなり助かった。ウィトゲンシュタインは論理学を自己流に扱い、それは現代の論理学の基本とは離れているのと、おそらく「論考」のみでは説明不足で、ウィトゲンシュタインの論理学を理解するのは困難だと思っていたところ、それを解説した本=これに出会い、いちおう「論考」を通読できた。この本は「論考」に絞ってウィトゲンシュタインの思考を概観し、さらに「論考」の問題点も指摘し、のちのウィトゲンシュタインを読む手引きにもなる。「論考」の解説本としてナンバーワン。2019/04/20
Bevel
4
数学村で起こった出来事の後、論理くんは言語という都市に引っ越した。そろそろ住み慣れてきたので、自分なりのライフハックをまとめてみた、という印象は変わらない。そのうち自分の弱さ(観察、現象学、理想/日常言語の区別)に気付き、次の町への旅たちの決意とともに本書も終わる。そう思うと、数学村でのあの出来事を引きずっているなとか、都市での出会いをどう活かすか(記述理論やタイプ理論)などの視点で読めてなかなか楽しい。2013/02/07