出版社内容情報
認知科学の知見を踏まえ、意識に関する問題を検討する哲学論稿集。前二著では、一人称と三人称の対立を宥和する概念として「先駆的二人称」を提示。本作ではこの概念の考察を深め、〈二人称―媒介性―受容性―述語性〉という概念連関を辿りながら、述語性から主語性が生成され文が成立するなかで、命題や論理が抽出され、認知や意識が生成されるとする理論を展開する。言語的意味の生成過程の分析を敷衍して、意識生成のプロセスを把捉しようとする試み。
【目次】
[目 次]
〈第1部 生の哲学と人称の理論〉
第1章 心は情報を処理しているのか――述語・文・命題・論理・計算の非可逆的順序について
第2章 同一性の起源――何がそれを生んだのか
1 時代の中の心理学―近代的自我の確立を求めて
2 自己同一性の確立の難しさ
3 文の主語・述語形式によって表明される自己同一性
4 文・命題・論理
5 論理的世界の自然化の誤謬
6 語りかけの同一化による始まり
第3章 言語に懐かれてある存在
1 日本語における述語性の優位
2 「美しい日本の私」vs.「あいまいな日本の私」
3 言語の普遍性を追求する文学と科学
4 文の始原へ遡る
5 述語から文へ
6 場面に包まれてあること
7 場面的媒体の浸潤
8 生体情報処理における媒体性の意味
9 言語発生史的思考
10 結語に代えて
第4章 主語としての意識――注意と意識の言語的構造
1 Attention の二つの意味
2 特徴の述語的記述
3 主体的表現としての述語的記述
4 受容性としての述語的記述
5 〈受容性の受容性〉としての主語的意識
6 述語的受容性の起源
7 偶然性と必然性の響き合い
8 受容と誕生
9 意識の理論
10 意識の階層性と自由
第5章 言語・論理・意識の発生機序についてーー〈受容性〉の重層的高次化を原理として
1 特徴情報の受容と統合――〈述語的記述〉と〈主語的表現〉
2 〈受容性〉の重層的高次化
3 脳内に生成する論理的構造のカプセル化
4 偶然性の要因
5 大数の法則と哲学的な問い
第6章 相互受容性の内在化としての認知過程
1 認知過程とは何か
2 前論理的な原理としての〈受容性〉
3 環境と個体における負のエントロピーの相互受容性
4 相互受容性の個体への内在化
5 主語・述語統合に基づく論理の生成
6 〈受容性〉の重層的高次化と主体的意識の生成
7 言語的構造の構築としてのニューラルネットの自己組織化
8 Receptivity からAcceptance への変貌
9 結 語
〈第2部 生の哲学と人称の理論〉
第1章 悲しみの中を歩き抜くことについて
第2章 転調する人称――公共的二人称へ
第3章 転調の季節
1 幼い日々の夢の記憶
2 人生の機微ということ
3 気分あるいは情状性について
4 晩秋の気分について
5 もの悲しさの意味について
6 ドラマティックな転調
7 静かな転調
8 転調としての自
目次
第1部 述語的関係性と意識の探究(心は情報を処理しているのか―述語・文・命題・論理・計算の非可逆的順序について;同一性の起源―何がそれを生んだのか;言語に懐かれてある存在;主語としての意識―注意と意識の言語的構造;言語・論理・意識の発生機序について―〈受容性〉の重層的高次化を原理として;相互受容性の内在化としての認知過程)
第2部 生の哲学と人称の理論(悲しみの中を歩き抜くことについて;転調する人称―公共的二人称へ;転調の季節;心理学と人生―「患者の心理」講義録から(於 市原看援専門学校准看護学科)
心理学と哲学の狭間で―「二人称」が開く世界を厳密な言葉で語る試み)
第3部 随想―人との出会い、本との出会い(追悼 酒井修さん;時の中で読書する;初めて読んだ本;『安寿―厨子王』覚書;書店と読書)
著者等紹介
川津茂生[カワヅシゲオ]
1953年、千葉県山武郡成東町(現山武市)生まれ。千葉県立千葉高等学卒業。国際基督教大学卒業。ウェストヴァージニア大学卒業。ブリティッシュコロンビア大学大学院で学んだ後、コーネル大学大学院修了(Master of Science)。ATR視聴覚機構研究所研修研究員、国際基督教大学教育研究所助手、国際武道大学助教授、同教授を経て、国際基督教大学教育研究所研究員および、木更津高等専門学校、亀田看護学校、市原看護専門学校にて非常勤講師を勤めた。退任後も、心理学と哲学を中心とした研究を続けている。日本心理学会、日本哲学会、日本基督教学会所属。ペディラヴィウム会、十和田短歌会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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