内容説明
我々のこの近代文明は、「大衆化」という重篤な病に冒されている。本書は、そんな「大衆化」という病の構造を、実証的な社会哲学を用いて明らかにせんとする。その上で、いかにしてその重篤な病と付き合い続けながら生きていくべきなのかを思索、探索した結果をとりまとめたものである。
目次
現代文明社会の問題と危機
第1部 大衆に対峙する哲学(実学としての社会哲学;「大衆の反逆」の哲学;大衆尺度)
第2部 大衆の反逆―現代日本の検証(「科学的検証」とは何か;社会を裏切る「大衆」;議論できない「大衆」;政府に対する「大衆の反逆」)
第3部 大衆の起源―ヘーゲル、ニーチェ、ハイデガーの哲学(人間疎外による大衆化;運命から目を背ける「大衆」;非本来的な時間を生きる「大衆」)
第4部 大衆社会の処方箋(大衆社会の中で「社会的秩序」の形成を図る;「大衆性低減」のための三つの基本方略;「運命焦点化」を通した脱大衆化)
著者等紹介
藤井聡[フジイサトシ]
1968年生まれ。京都大学卒業後、同大学助教授、東京工業大学教授等を経て、京都大学大学院工学研究科(都市社会工学)教授、同大学レジリエンス研究ユニット長、ならびに第二次安倍内閣内閣官房参与(防災減災ニューディール担当)。専門は実践的公共政策論および人文社会科学研究。文部科学大臣表彰等受賞多数。各種メディア等での執筆活動等で盛んな言論活動を展開
羽鳥剛史[ハトリツヨシ]
1980年生まれ。京都大学卒業後、東京工業大学助教を経て、愛媛大学大学院理工学研究科(生産環境工学専攻)准教授。専門は土木計画、合意形成論。09年に日本社会心理学会奨励論文賞、10年に土木学会建設マネジメント委員会論文賞を受賞。表現者塾(西部邁塾長)出身(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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