フィギュール彩<br> 恐怖の表象―映画/文学における“竜殺し”の文化史

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フィギュール彩
恐怖の表象―映画/文学における“竜殺し”の文化史

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  • サイズ B6判/ページ数 271p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784779170621
  • NDC分類 778.7
  • Cコード C0374

出版社内容情報

恐怖/テロ/ポーの世紀を映画を通して読み解く!



イスラム国のテロリストたちの恐怖は「形(かお)のない恐怖」である。

顔のないテロリストたちは、増殖することをやめない。

形のないものは恐ろしいが、人類は恐怖に形を与えることで、

恐怖を封じ込めようとしてきた。

竜もまた人類の敵の恐怖を形にしたものであり、

我々は竜を抹殺することで、恐怖の克服を試みてきた。

同時多発テロで幕をあけた二一世紀は「テロの世紀」である。

「テロ」は「恐怖」を意味するのだから、それは「恐怖の世紀」でもある。

そして「恐怖の君臨」する「テロの世紀」は、

世界じゅうで最も恐怖を追及し続けた一九世紀の前半ゴシック作家

「エドガー・アラン・ポーの世紀」になるのかもしれない……。



ポーに魅了され、あらゆるジャンルの映画を狩猟する著者が、

映像文化に張り付いている「竜=恐怖の世紀」を丹念に読み解き、

私たちが現在、どのような世紀を生きているのかをあぶり出す

文化研究の成果!

【主な目次】

●序説 恐怖/テロ/ポーの世紀――恐怖の国

エドガー・アラン・ポー/江戸川乱歩の世紀―悪夢のなかの日本

 密室化する身体/国家――穢れ、POV映画、虚構と現実

 壁のなかの日本――『進撃の巨人』と『寄生獣』

 変奏される恐怖――頭上の黒い影と聖戦という戦争

●第一部 竜の文化史――捏造される怪物たち

一章 『ドラゴンクエスト』をめぐる犯罪――

虚構と現実のはざまで

二章 竜とは何か――神話、文学、ゲームを横断する表象

三章 野蛮幻想と人喰いの記号――『ロビンソン・クルーソー』

から『グリーン・インフェルノ』に

●第二部 竜殺しの進化論――『白鯨』、『ジョーズ』、『ゴジラ』

一章 『白鯨』における竜殺し――白鯨/テロとの戦い

二章 『ジョーズ』における竜退治――水面下にひそむもの

三章 竜としての原爆―ゴジラ、キノコ雲、フランケンシュタイン

●第三部 初期アメリカ史における竜殺し――影を追うもの

一章『エイリアン』『エイリアンII』の竜殺し――

エイリアンというインディアン

二章 他者/分身としてのインディアン――

インディアン捕囚体験記と『エドガー・ハントリー』

三章 影( あく) を追う探偵たち――

「群衆の人」と「モルグ街の殺人」のドッペルゲンガー

●第四部 ポーにおける竜殺し(1)――アメリカ文化史のなかのポー

一章 ポーの子供たち――ルーファス・グリズウォルドとは何者か

二章 ロリータ・コネクションの系譜――

親類としてのポー、キャロル、ナボコフ

三章 地下室の狂女――「アッシャー家の崩壊」のさかしまの幽霊

●第五部 ポーにおける竜殺し(2)――『黒猫』を読む

一章 「黒猫」と告発される人種の奴隷制――侵食しあう白と黒

二章 「黒猫」と告発される性の奴隷制――壁に生じた亀裂( あな)

三章 「バートルビー」と告発される階級の奴隷制――

壁のなかの労働者

●第六部 世紀末の竜殺し――『ドラキュラ』を読む 

一章 封じられるドラとドラキュラの口――ヒステリーという症状 

二章 世紀末の怯える男たち――殺害されるメデューサ

三章 語/騙られる竜退治の物語――ドラキュラとは誰だったのか

●第七部 現代に生きるメデューサ――『リング』を読む

一章 映画におけるメデューサたち――他者を抹殺する記号

二章 『リング』における再生される幽霊――

『皿屋敷』と『四谷怪談』と貞子の姉たち

三章 メデューサとしての貞子――エイズ、映像、同時多発テロ

●第八部 メデューサのスクリーン――映像の政治学

一章 銀幕/隠蔽記憶とアメリカ――ベトナム戦争映画論

二章 光/映画としての湾岸戦争――実在の砂漠にようこそ

三章 映画としての同時多発テロ――

アメリカン・ドラゴンクエストのゆくえ

西山 智則[ニシヤマ トモノリ]
にしやま・とものり
埼玉学園大学人間学部教授。
関西学院大学大学院博士課程単位取得退学。
専門は、ポーを中心とするアメリカ小説、映画。
主著に『恐怖の君臨??疫病・テロ・畸形のアメリカ映画』
(森話社、2013 年)、『パンデミック〈病〉の文化史』
(人間と歴史社、2014 年、共著)など。

内容説明

「テロ」は「恐怖」を意味するのだから、それは「恐怖の世紀」でもある。そして「恐怖の君臨」する「テロの世紀」は、世界じゅうで最も恐怖を追及し続けた一九世紀前半のゴシック作家「エドガー・アラン・ポーの世紀」になるのかもしれない…。人間を魅惑し、恐怖させる竜とは何か。テロリズムが横行する戦慄の世紀に恐怖とどうつきあうのか。“竜殺し”の“ものがたり”を問い直す。

目次

序説 恐怖/テロ/ポーの世紀―絶望の国
第1部 竜の文化史―捏造される怪物たち
第2部 竜殺しの進化論―『白鯨』、『ジョーズ』、『ゴジラ』
第3部 初期アメリカ史における竜殺し―影を追うもの
第4部 ポーにおける竜殺し(1)―アメリカ文化史のなかのポー
第5部 ポーにおける竜殺し(2)―「黒猫」を読む
第6部 世紀末の竜殺し―『ドラキュラ』を読む
第7部 現代に生きるメデューサ―『リング』を読む
第8部 メデューサのスクリーン―映像の政治学

著者等紹介

西山智則[ニシヤマトモノリ]
愛媛県新居浜市生まれ。埼玉学園大学人間学部教授。1999年、関西学院大学大学院博士課程後期課程文学研究科英米文学専攻単位修得満期退学。2015年、大阪大学言語文化研究科博士(言語文化学)。研究領域:エドガー・アラン・ポーおよびアメリカ小説・映画(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ヘラジカ

23
これまで幾度となく語られてきた所謂「仮想敵」について、古今東西あらゆる国で創作されてきた<竜殺し>の物語に関連付けて読み解こうとする試み。変奏され濫造されてきた単純構造の作品群が、人類にとって如何に必要不可欠であったかを、あらゆるポップカルチャーを横断しつつ分析していく。つまりはフィクションと現実の相互関係で文化を論じた書である。タイトルの物々しさに反して発想はそこまで奇抜なものではない。故に馴染みやすく理解するのは容易であった。論じられている作品を知っていなければ手も足も出なかったと思うが。2016/06/06

三柴ゆよし

11
おそらく高山宏的なマニエリスムの書をものしたかったのだろうが、テーマの面白さに反して、枝葉末節の蘊蓄と引用だけが分裂症のように拡大していく書物にとどまっている。手を替え品を替え、最初から最後までずっとおなじことを言っているので、正直、もうわかったよ……となる。長大な参考文献リストを見るかぎり相当に勉強している人なのだろうが、快刀乱麻を断つような決めフレーズがなく、ひたすら同じテンションの記述がだらだらと続くのは辛い。著者はもうすこし読ませるための文体に磨きをかけたほうがいいのではないか。2018/05/17

Rieko Ito

4
言及される作品が多すぎて、論が浅くなってしまっている。フェミニズムとか安保法制とか著者の意見に反対ではないが、これでは説得力がない。『ドラキュラ』だけとか、視点を絞って深めてもらいたかった。2024/03/02

らむだ

2
cf.2017/02/01

川崎

1
前著「恐怖の君臨」に続いて良書。被るところも少なく(エイリアンの章くらい)、神話から最近のメディアまでを網羅的に「竜殺し」の文法に則って読み解いていく。2016/06/18

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