内容説明
「三島事件」は昭和史における大きな謎だ!謎の解明には檄文の読解が重要である。檄文こそが謎解明を阻んでいる壁である。政治的にではなく文学的に、西欧的な知の枠組みのなかで「三島」を解剖する。
目次
はじめに 「三島事件」は計画変更の結果だった
第1章 事件一年前まで三島は憲法改正を主張していなかった
第2章 文学作品創作と同じ方法論で行動計画は練りあげられた
第3章 楯の会を作るために、祖国防衛隊を構想してそれを壊した
第4章 昭和四十四年十月二十一日、決起計画はすべて紙屑になった
第5章 挫折を乗り越えて自衛隊乱入へ―楯の会会員のために
第6章 本来の計画は皇居突入だった
第7章 皇居突入計画と絶対者への侵犯
おわりに 三島由紀夫を相対化するために
著者等紹介
鈴木宏三[スズキコウゾウ]
1945年仙台市生まれ。現在、山形大学名誉教授。1968年東北大学大学院文学研究科修士課程(英文学専攻)修了。山形大学教養部、人文学部教授。2004年退職。専門は、17世紀英文学、とくにジョン・ダンの研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
犬養三千代
5
この著者はあの鈴木邦男さんの弟である。 皇居突入計画があったという分析はある程度納得したが!もし本当にあったのならば盾の会のメンバーもなにか書き残すはずだという思いかする。2017/02/22
たつや
4
三島由紀夫生誕百年をテーマに、図書館でコーナーがあったので、数冊借りたうちの一冊。三島事件の詳細に始まり、何故?自決に走ったか?仮説のオンパレードだが、自分は三島由紀夫初心者なので、入門的に一つの知識として読了。思想が崩壊しているとあらぬ方向に暴走する一例として、認識した。2025/03/25
yoyogi kazuo
1
原武史「松本清張で読む昭和史」の中に参考文献として挙げられていたので読んだが、なんとも中身の薄い本であった。憶測を積み重ねているだけで説得力を感じない。ソフトカバーで装丁もよく読み易いのに内容が残念。著者紹介を見たら一水会の鈴木邦男の弟だった。2021/10/13
白山手賀
0
三島の思考を、ミクロで丹念に追うことで、三島のこと以外に何を分かろうとしているのか。三島そのものに興味がある人が手にすべき本。2019/11/18