出版社内容情報
すべての表現者のために!「原初の音は即興だった」
「自分の内部で何かが起こって感情=心の活動が盛んになり、予見なしに即刻行動に移る」
本書はジャズ・ピアニストで作曲家・編曲家として世界的に活躍する佐藤氏による「即興演奏」の理論書である。本論「完全即興」は佐藤氏が学長を務めたメーザー・ハウス音楽院にて2015年に刊行されたテキスト(講義ステップ1~12までの最終講義)。補論として一橋大学での講義「Randooga Guide BOOk」(2012年)と東京藝術大学での講義「Non-idiomatic improvisation」(2011年)を収めた。一般に、即興は、どのような分野=楽派の音楽でもその分野でのあらゆる約束事(楽理・楽式・技法・表現法・慣用句・仕来り)を習得・精通したうえで許されるものとされている。しかし、仮に音楽を発生段階にまで遡って考えるとすると、まず初めに音が存在したはずであり、その音はさまざまな感情=喜び・悲しみ・怒り・恐れなどに伴って発せられたものであったであろう。「原初の音」は「即興」なのだ。どのような楽派のしきたりにも束縛されず、事前に何の約束もせずに行う即興、始原の音の姿から生成して行く即興こそが「完全即興 absolute improvisation」である。では「どの楽派にも縛られない即興」とはどのようなものか。一体そういうものが成り立つのか。もしそれができるならば、現在のすべての楽派が持っている音楽の「垣根」を自在に越えて、どんな楽派とでも交流可能な「場」が出現しうるだろう。本書は、音楽的素養の有無、楽器演奏の巧拙、あらゆる身体的属性を問わず誰でも参加できる即興によって(従って、記譜法の異なる楽派、五線譜を読まない人にも入り込めるよう、可能な限り五線譜は排して)音を通じたコミュニケーション能力を高めることをめざしてゆく画期的かつ反・楽理的「理論書」である。
【目次】
内容説明
原初の音は〈即興〉だった!自分の内部で何かが起こって感情=心の活動が盛んになり、予見なしに即刻行動に移る…。本書はジャズ・ミュージシャンで作曲家・編曲家として世界的に活躍する著者による「即興演奏」に関する画期的かつ反・楽理的理論の書である。
目次
序あるいは即興演奏のために
完全即興
ランドゥーガ・ガイドブック
ランドゥーガ
参加者のためのWSPノート
音具
初期Randooga史
Non‐Idiomatic Improvisationをめぐって
Non‐Idiomatic Improvisation
インプロを学ぶ
著者等紹介
佐藤允彦[サトウマサヒコ]
1941年東京生まれ。慶應義塾大学卒業後、1966年から68年にバークリー音楽院留学、作・編曲を学ぶ。帰国後1969年、初リーダー・アルバム『パラジウム』でSJ誌「日本ジャズ賞」受賞。その後ビッグバンドのための『四つのジャズコンポジション』(1970年)、『邪馬台賦』(1972年)で二度の芸術祭優秀賞を受賞。これまで多くのリーダー・アルバムを発表、スティーヴ・ガッド、エディ・ゴメスのトリオでの『アモーフィズム』の全米発売、”セレクト・ライブ・アンダー・ザ・スカイ’90”で誕生した『ランドゥーガ』(SJ誌「日本ジャズ賞」受賞)のフランスでのリリースなど国際的に高い評価を得る。ベルリン、メールス、モントルーなどのジャズフェスティバルへの出演、アフリカ、オーストラリア、ロシア、中南米などへのコンサートツアー広範な活動は注目を集める。作・編曲家として、『オーケストラと三人のインプロヴァイザーのための「乱紋」』(1986年)等の実験的作品、「万国博覧会―地方自治体館」(1970年)、「花と緑の博覧会―JT館」(1990年)等のパビリオン音楽、リチャード・デューセンバーグ3世の筆名でのベルエア・ストリングス・シリーズ等を手掛ける。音楽を担当したTV番組、映画、CMは多数。1997年、プロデュース・レーベル〈BAJ Records〉創設。1981年から2020年までミュージックカレッジ・メーザーハウスの音楽理論、作・編曲、ピアノ部門主幹講師、学長。1993年「ジャンル、技量にかかわらず誰でも参加できる即興演奏」を目指すワークショップ「Randooga」を開始、フリー・インプロヴィゼイションへの簡潔なアプローチ法を提唱している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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