出版社内容情報
ヴィクトリア女王(1819- 1901)のハイランド地方(スコットランド)滞在中に書き留めた日記とその文脈の道案内。
スコットランド北東部にあるバルモラル城は、ヴィクトリア女王と夫君アルバート公によって建てられている。ハイランド地方はスコットランド北部および中東部、西部に位置しており、特に東部ハイランド地方は、山、丘、峡谷、湖、滝、岩山から高々と流れ落ちてくるバーン川などが豊かで、手づかずの野性味溢れる自然がそのまま残っているところである。この自然、澄んだ空気、静寂、孤愁に女王は限りない愛着を覚えたようだ。ヴィクトリア女王のハイランド地方への愛は強く、「感染力」が強大であるのだ。女王は「バルモラル城」を訪れると遠遊することもあったが、近くの丘や森や石塚などを逍遙することに熱心さをみせた。「自然」は人の魂を育むと、女王は信じていた。ヴィクトリア女王は14歳からほぼ毎日、日記を書いている。日記は生涯にわたって書続けられ、それは全部で122巻にまで及ぶほどの長大なものとなっている。一日の旅の終わりに、ときにはその途中で、その日の出来事を記録した。できないときには数日後に書くこともあったのである。本書は、女王の『ハイランド地方日記抄』を訳者が翻訳しその背景に説明を加えたものである。日記の始まりの段落の前に「訳者道案内」として簡単な要約および地理、人物、出来事の説明を付け加え、ヴィクトリア女王のハイランド地方滞在中のその時間と空間に、読者が容易に入っていけるように工夫を試みている。
【目次】



