内容説明
ユダヤ系文学の原点「父と息子の関係」に光を当てる論考集!「父と息子」の揺らぐことのない信頼関係からユダヤ民族の宗教は始まる。本書を通じて、これまで目にしたことのないユダヤ系の親子関係の“普遍性”と“特殊性”を味わうことになるだろう。
目次
“怒りの神(父)‐息子”と“慈愛の母‐息子”
父と息子を結ぶ光―スタンリー・クニッツの描く父、母、息子
アンジア・イージアスカの描く「親子の継承」―『パンをくれる人』から『白馬の赤リボン』への変遷
不在の父を求める息子―アイザック・バシェヴィス・シンガー『モスカット一族』を中心に
アイザック・バシェヴィス・シンガー『父の法廷』における父親像―ノア、あるいはモーセ
アイザック・バシェヴィス・シンガーの作品に見る母と息子の絆
父親はラビ、息子は作家―アイザック・バシェヴィス・シンガーの小説
マラマッドの「ある殺人の告白」―そのタイトルの重層的な意味について
「ジ・エンド」をめぐる父と娘―グレイス・ペイリーの「父との会話」
ポール・オースターの「父と息子」の物語―『孤独の発明』における語りの作法
父子をめぐる“虚-実”のトポス―スピルバーグの『未知との遭遇』から『フェイブルマンズ』まで
アーサー・ミラー『セールスマンの死』に見るユダヤ系の父と息子―レヴィンソンとシュレンドルフの解釈を基点に